【2009年10月22日】

毎日新聞によると、映画テレビドラマの第一線で活躍した女優南田洋子さん(本名・加藤洋子)が10月21日午前10:56(UTC+9)、東京都内病院クモ膜下出血のため亡くなった。76歳だった。

南田さんは東京都出身。1951年に「大映ニューフェース」として入社。1952年作品「美女と盗賊」で映画デビューをし、1953年には売春をする女子高生をテーマにした映画「十代の性典」で注目を集めた。その後日活に移り、腸の病気で治療・入院したときに読んだ石原慎太郎氏の「太陽の季節」に感銘を覚え、同作品の映画化を進言。これが1956年に上映され大ヒット。この作品で共同主演した長門裕之氏と1961年に結婚した。

その後1964年に夫婦で個人事務所の「人間プロダクション」を設立し、テレビにも進出。フジテレビの番組「ミュージックフェア」では1965年から81年に夫婦で司会進行役を担当し続けた。しかし、2005年ごろから認知症の症状が出て、2006年から芸能活動を停止していた。

朝日新聞によると、長門氏はこの日明治座で舞台出演し、その後記者会見を開いた。長門氏は午前中の舞台終了後に南田さんの死去を知ったという。長門氏は2005年に南田さんが認知症の症状が出始めるとともに自宅で献身的に介護を続けた。この模様は2008年11月にテレビ番組として紹介され、視聴率20%を超える大反響を得た。長門氏は会見ではまず「僕の愛しい、大好きな素敵な女房がさよならも言わないで永眠しました」と挨拶し、その上で「介護の日々が僕を蘇らせてくれた。人生観を変えてくれた」と話している。

産経新聞によると、南田さんと同年齢の女優・草笛光子さんは「本当に悲しいですね。長門氏とテレビでご一緒するたびに『南田さんお元気?』とお尋ねしましたが、長門氏の表情でご病状を察しておりました。南田さんは穏やかで素敵な方でした。主婦として、妻としていろいろなことをきちんと治めてこられたんでしょう。以前はテレビや舞台でもご一緒しました。ご自分で本を書きたくて勉強されているとおっしゃったことが印象に残っています」と南田さんの訃報に接してのコメントを寄せている。

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