船場吉兆、経営再建を断念し廃業へ

【2008年5月28日】 朝日新聞によると、民事再生法のもとで経営再建を進めていた大阪市料亭船場吉兆は5月28日を持って経営の再建を断念し廃業することをこの日の午後、湯木佐知子社長が記者会見を行い、正式に決定した。

産経新聞によると、船場吉兆は2007年10月以降に賞味期限の表示や牛肉等の食材の産地偽装等不正行為が相次いで判り、11月には不正競争防止法違反の疑いで大阪府警から捜索を受けた。その後2ヶ月間の休業を経て大阪地裁に民事再生法を申請、適用された。今年1月から営業を再開したが、5月になって今度は既に閉店していた2つの店舗を含む4店舗すべてで、客が食べ残した料理を別の客に使いまわしていた事が判り急速な客離れが深刻となっていた。

産経新聞によると、船場吉兆の代理人の弁護士の説明では船場吉兆は営業を再開するに当たって希望退職者の募集や、物品の販売取り止め等の赤字部門の削減を進めたことで毎月の黒字を達成できていたが、料理の使いまわし事件が発覚すると大型連休明け以後客足が途絶え、経営が更に悪化。他の吉兆系各社や、他の企業からの支援を取り付けることも出来ず、経営再建を断念したと見られている。また読売新聞によると、1月からの4ヶ月間は予約が上昇していたが、料理使いまわし事件の影響で客足が休業前の3分の1に落ち込んだという。

読売新聞によると、船場吉兆は5月28日に大阪地方裁判所から民事再生手続き廃止と保全管理命令を受け、6月中旬にも破産手続きを行う予定で、最終的な負債総額は9億円程度になる見通しである。また船場吉兆は全ての従業員を解雇する事を決めたが、再就職について他の吉兆系各社に対して支援を求めない方針である。

また、毎日新聞によると船場吉兆は新たにフルーツ寄せゼリー、たたみいわし等8つの品目で一旦客が食べ残した料理の使いまわしが行われていた事を明らかにした。

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