脳死肺移植後に40歳代女性が意識不明に - 京大病院

【2011年10月18日】

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毎日新聞朝日新聞によると、京都大学医学部附属病院京都市左京区)は10月18日UTC+9)に、40歳代の女性患者が同月10日に行われた脳死移植手術後に脳障害を発症し、意識不明になったと発表した。

両報道によると、手術中に心肺補助装置が停止するトラブルがあったというが、毎日によれば、これとの因果関係は不明であるとしており、「現時点で医療ミスであるとは考えておらず、肺移植手術の自粛は行わない」としている。同病院は、外部の専門家らによる調査委員会を設置し、原因を究明するとしている。

毎日新聞によると、この女性患者は重症の肺リンパ脈管筋腫症で、山梨県立中央病院に於いて脳死判定された60歳代男性から、両肺の移植手術を受けた。

朝日新聞によると、移植後に酸素濃度が低下したため、補助人工心肺装置を作動させた。その13分後に装置内に空気が混入し、安全装置が作動し停止。その間も患者の心臓と肺は動いていたものの、装置の再始動まで約4分間掛かった模様である。女性患者の容体は一旦は安定したが、翌朝になって重い脳障害が確認され、その後も意識不明の状態が続いている。

毎日新聞によると、この手術の執刀呼吸器外科長の伊達洋至教授は、「ドナーの肺が山梨から届くのに約6時間掛かったこともあって、移植した肺が機能不全を起こし、酸素濃度が低下したのではないか」とコメントした。また、補助装置に生じた気泡については、「初めてのトラブル。装置に異常は無く、原因は不明。ただ、装置が停止していた間の酸素濃度は、必ずしも低酸素脳症を起こすほどではなかった」としている。

毎日新聞によると、同病院では2006年に、脳死肺移植を受けた女性(当時30歳)が死亡し、これを受ける形で肺移植手術を自粛。事故調査委員会は、移植チーム内のコミュニケーション不足などを指摘。その後、2007年岡山大学から、日本初の生体肺移植手術を行った伊達教授を招聘し、2009年に脳死肺移植の再開を決定。今回の手術は再開後11例目。

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