総務省、プロバイダによるWinny通信の遮断を「通信の秘密を侵害」とコメント

【2006年5月19日】

総務省(資料)

ITニュースサイト「ITMedia」「CNET Japan」等が伝えたところによると、総務省は18日 (UTC+9) 、プロバイダWinnyなどのP2P通信を完全に遮断するのは「通信の秘密を侵害している可能性がある」とコメントした。総務省がぷららのWinny完全規制についてぷららに回答したもの。

当初ぷららは3月16日付の発表で、ぷらら側で各ユーザーの通信パターンを解析しWinny特有のパターンを発見次第その通信を遮断するということを発表していたが、総務省はこの解析行為を「通信の秘密を侵害している可能性が高い」とした。

このコメントに対するぷららの反応については様々な発表がされており、読売新聞は「規制を事実上断念した」と伝えているが、ITmediaなどの報道では「決定次第改めて知らせる」としたぷららのニュースリリースをそのまま伝えている。

Internet Watchによれば、この違法性の指摘の根拠としてはプロバイダが通信の一部を監視することを挙げていることから、通信パターンを解析しての帯域制限は全般的に通信の秘密を侵害している可能性があることになる。しかし、従来ぷららが行ってきた「ユーザーからの上り方向のトラフィック量の制限」では、同様の解析を行っている。総務庁はそれについては言及しておらず、完全な遮断についてのみコメントした形となっている。

ITMediaによれば、このコメントでは、以前からぷらら等が行っている「ユーザーからの上り方向のトラフィック量の制限」については「正当な業務に当たる」という見解を示しており、特定のアプリケーションに対する完全な遮断についてのみ「正当な業務の範囲を超え違法」としている。また読売によれば、ニフティではすでにP2P通信についてアプリケーションを検知して利用を制限する規制を一部地域で行っている。総務省ではこれについても「厳密には通信の秘密の侵害である可能性があるが、P2Pソフトの通信による不当な回線占有を防ぐためという事であれば正当な業務の範囲内」としている。

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