第46回ばんえい記念 - 1000kgの闘いを制したのは6番人気の伏兵インフィニティー
【2014年3月26日】
帯広競馬場で2014年3月23日(日)に「農林水産大臣賞典 第46回ばんえい記念」が実施され、単勝6番人気のインフィニティー号(牡8歳)が制した[1][2][3][4]。勝ちタイムは4分13秒2、馬場水分は2.7%[1][2]。インフィニティー号および騎乗していた浅田達矢騎手ともに、今回初めて1000kgの重量を課される「ばんえい記念」へ挑み、そして初制覇を成した[1]。
インフィニティー号と浅田騎手のコンビは昨年7月の「北斗賞」で、人馬ともに初となる重賞制覇を遂げてみせる[2]。がしかし、以降の成績はさほど振るわなくなる[2]。そんなコンビが今回初制覇を成しとげた影には、インフィニティー号の青木智博厩務員による丁寧な調教が背景にある[2]。青木厩務員はこの「ばんえい記念」を最後に厩務員を辞して地元の横浜へ戻るため、万全を期してインフィニティー号の調教にあたってきた[2]。更には、インフィニティー号を管理する金田勇調教師の戦略眼もある。金田師は「ばんえい記念」へ臨むにあたって「700キロや800キロではこの馬の持ち味は出せない。オレと浅田だけが、この馬の強さを確信していた」という[3]。さらに金田師は「馬場状態も最高でした。ちょっと水分が高ければ負けていました」と勝因を分析する[3]。そして浅田騎手によるとっさのレースプランの変更も活きた。当初先行するつもりであったが先陣を切ることは出来なかったため、「気持ちを切り替えて、あとはどれだけ辛抱できるか」とタメを効かせた騎乗へ切替えた[3]。ゴール前で2着のフクドリに追いすがられる場面もあったものの、何とか追撃を振り切ることが出来た[3]。今回「ばんえい記念」の初制覇を成し遂げた浅田騎手は「まだ実現したという実感が沸かないです」と語り[3]、金田師も「うれしくて目から汗が出ました」と喜びを表した[3]。
帯広競馬場には4千人を超えるファンが集まり[1]、午前10時15分に開門した後、午前中の時点で駐車場はほぼ満車状態となり帯広競馬場へ活気が帯びてくる[2]。レース前には、陸上自衛隊第5音楽隊による生演奏のファンファーレがなされ、ばんえい頂点のレースを見守るファンを更に暖めた[2]。レースが始まるとファンから惜しみなく声援が送られ、10着のシベチャタイガー号が8分10秒1のタイムで完走を果たすと、ファンは拍手をもって出走馬や騎手など、馬に携わってきた人達を労った[1]。
今回の「ばんえい記念」による興業実績は、入場者数4,264人(昨年は5,194人)[1]。23日の総売り上げは124,717,800円(昨年は125,778,100円)、そのうちばんえい記念単体の売上は39,769,100円(昨年は42,014,100円)であった[1]。