福島県の伝統行事「相馬野馬追」が2016年も例年通り行われる、高木復興相も視察に
【2016年7月30日】
福島県の伝統行事「相馬野馬追」が7月23日から、相馬市から南相馬市にかけて行われた[1]。「相馬野馬追」は、国の重要無形民俗文化財に指定されている[1]。今回の総大将は、相馬家の陽胤(きよたね)氏によって執られた[1]。陽胤氏は相馬家の33代当主である和胤(かずたね)氏の次男であり、陽胤氏が総大将を務めるのは2年ぶりとなる[1]。
24日には南相馬市の原町区にある雲雀ケ原祭場地で「甲冑(かっちゅう)競馬」と「神旗争奪戦」が行われた[2]。雲雀ケ原祭場地には約440騎もの武者が集い、集まった観客は4万3000人にも上った[2]。「甲冑競馬」は7競走に分けて勝負が競われ、「神旗争奪戦」では花火で打ち上げられた神旗を奪取すべく280騎の武者が奮迅の動きを見せた[2]。
24日夜には南相馬市の小高区で「火の祭」が行われた[2]。「火の祭」が行われるのは6年ぶりであり、手作りの火の玉を2000個、さらに4000発の花火が用意され福島の夜空を飾った[2]。
「相馬野馬追」の最終日となる25日には南相馬市の小高区にある相馬小高神社で、「野馬懸(のまかけ)」の神事が執り行われた[3]。白装束をまとった御小人(おこびと)が激しく抵抗する裸馬めがけて身体ごと飛びついて捕らえてみせると、集まった1800人の観客は御小人の果敢な動きに拍手をもって応えた[3]。
今回の「相馬野馬追」は高木毅復興相も視察に訪れた[4]。福島第一原子力発電所事故による避難指示の大部分が解除されたなかでの「相馬野馬追」として実施され[1]、高木復興相からは「避難指示の解除は帰還への第一歩。帰還や復興に向けて生活基盤や産業の再生に全力で取り組みたい」と記者団に向けて語り、福島復興への決意を新たにした[4]。