神奈川県・花月園競輪場が来春廃止

【2009年12月2日】

花月園競輪場正門(資料)

神奈川新聞によると、横浜市花月園競輪場の経営が悪化している問題で、競輪レースを主催する神奈川県、横浜市、横須賀市で構成する神奈川県競輪組合は12月1日(UTC+9 以下同)、2010年3月で競輪開催を廃止することを発表した。

花月園競輪は神奈川県の計画に基づいて1950年に地元の企業・花月園観光が開設し、上記3自治体に運営を委託。その後1998年に3自治体が共同で競輪組合を設立したが、車券売り上げが低迷気味となり、組合を構成する自治体は花月園競輪場に賃貸料を払っていることや、住宅街にあることから駐車場が少なく、ナイター開催も不可能という状況も重なり赤字経営を脱却出来ない状況にある。このため外部検討委員会が9月に、「更なる赤字を重ねる」恐れがあるとして事業を撤退するよう組合と構成3自治体に要求していたという。

朝日新聞によると、12月1日開催の競輪組合議会で、同組合の2009年度末の累積赤字と債務残高は66億円に達するとして同年度末となる2010年3月開催を最後として花月園競輪を廃止し、競輪を統括する財団法人JKAに対する交付金・5億円/年の支払い猶予を2010年度から5年間受けられるよう経済産業省と交渉する。

神奈川、朝日両新聞によると、今後競輪組合では花月園競輪で開催してきたG3競走を同県の川崎小田原の両競輪場で開催できるようにして債務返済や赤字縮小を進める。しかし収支改善が予定通り進んだとしても47億円に及ぶ累積赤字解消にはつながらないため、3自治体の財政負担は避けられない見通しであるという。

神奈川新聞によると、競輪場の廃止は最近では2002年に甲子園西宮門司の3箇所が廃止された事例がある。

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