登山遭難者を救助しようとした岐阜県の防災ヘリコプターが墜落、3人死ぬ

【2009年9月13日】 朝日新聞によると、9月11日午後3:20ごろ(UTC+9 以下同)、岐阜県高山市北アルプス奥穂高岳近くの山中で、遭難した登山者の救助活動に当たっていた岐阜県の防災ヘリコプター「若鮎2(わかあゆ・ツー)」が墜落。このヘリコプターに搭乗していた乗組員3人が死亡した。

岐阜県警察によると、奥穂高岳のジャンダルム付近にいた登山グループ(10人)から、午後1:35ごろ「1人が動かなくなった」と通報があり、各務原市(かがみがはらし)航空自衛隊・岐阜基地から防災ヘリコプターが出動。3:05ごろ、副隊長の後藤敦さん(34歳)が「地上に降りた隊員とこれから救助活動をする」と岐阜県に無線で連絡があり、その後ヘリコプターを空中で静止する「ホバーリング」の状態でヘリコプターから垂らしたロープで、登山中に心肺停止になった宮城県の富沢薫さん(64歳)を引き上げようとした。

しかし3:20ごろ、ヘリコプターが墜落して大破。一部炎上し、後藤さんと操縦士の朝倉仁さん(57歳)、整備士の三好秀穂さん(47歳)の乗組員3人が死亡した。富沢さんを引き上げようとした際、ヘリコプターのローター(回転翼)が急斜面の山肌に接触してバランスを崩し、墜落したものと見られている。また、富沢さんも死亡が確認された。

産経新聞が事故を目撃した人の話として紹介したところ、近くの斜面に削られたような跡があり、岐阜県警はこのヘリコプターが斜面に接近したときに回転翼が接触、バランスを崩して墜落した可能性があると見て調べている。また岐阜県警や事故現場の山小屋の経営者の話では、9月11日は当初晴れていたが、事故があった3:20ごろに突然ガスが発生。またこの現場は乱気流も発生しやすかったため、想定外の自然現象が重なったことでこの墜落事故があったと見られている。

日テレNEWS24によると、9月12日午前、国土交通省運輸安全委員会の航空事故調査官3人が高山警察署に入り、現地を実況見分調査をする予定だったが、悪天候のため中止となり、事故現場のビデオテープを見るなどして事故原因を調べている。

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