甲子園球場、大改修 大鉄傘の雰囲気を再現
【2005年8月16日】
甲子園球場の大改修工事の具体案が8月15日までにほぼ固まり、この秋をメドにそれを発表することがデイリースポーツ新聞社の取材でわかった。
甲子園球場は1925年8月に竣工したが、施設の老朽化や阪神・淡路大震災(1995年)の一部スタンドの亀裂、液状化現象などの被害発生を受けて、近年スタジアムのリニューアル化計画が進められていた。
今回の大改修計画は
この2点を大枠として、2004年度から2回にわたって大リーグの球場視察なども参考にしながら、具体的なプランニングを進めた。
以前からオープンスタイル(屋外型)の球場にすること、入場門のツタを植えつける、スタンドを4万5,000人程度確保する、内野の天然芝化(これは早ければ大改修とは別に2005年度のシーズンオフにも実施されるといわれる)等具体的な計画は部分的に発表されていたが、今回の計画では、現在内野・バックネット付近を中心に設置されている銀傘を開場当時と同じようにアルプススタンド側まで延長させて、球場開設から1943年まで存在した「大鉄傘」の雰囲気を再現させることが明らかになった。またこれをきっかけに観戦の際支障をきたしてきた鉄柱を撤去させ、軽量・かつ強固な建材の使用も予定している。
大鉄傘はかつてスタンドを覆っていた鋼鉄製の覆いで、1943年、戦時供出のため撤去されていた。
全面改修工事の開始は2007年シーズンオフに行われるアメリカンフットボールの大学生チャンピオン決定戦甲子園ボウル大会終了直後からの予定で、主としてシーズンオフや、シーズン中でも試合の開催がない時などを利用して3年間の予定で工事を展開する。
出典
- 『“新甲子園”アルプスに屋根!』 — デイリースポーツ, 2005年8月16日