生命保険業界11年ぶりの大型再編か? 日本生命が三井生命を買収へ
【2015年8月26日】
日本の生命保険業界において第2位へつけていた日本生命保険(以下、日本生命)が、第8位にある三井生命保険(以下、三井生命)を買収して大型再編を狙い最終調整を進めていることが判明した[1]。日本生命と三井生命の買収が実現すれば、日本の生命保険業界では2004年に旧明治生命保険と旧安田生命保険との合併で誕生した明治安田生命保険以来の大規模合併が達成される[1]。
日本生命は元々業界1位のシェアを確保していたが、2015年3月期の決算で一般企業でいうところの売上高に相当する「保険料収入」で、第一生命保険に業界1位から業界2位に下降した[2]。今回の大規模合併で三井生命と経営統合を達成することにより、日本生命保険は業界1位のシェアを取り戻す作戦である[2]。なお「保険料収入」の順位に関して、かんぽ生命保険や外資系の保険会社並びに、損害保険会社系列の生命保険会社は対象外としている[1]。
朝日新聞の調べでは、日本生命は三井生命の大株主である三井住友銀行などから株式を取得すると報道しているが、取得金額については不明である、と報じている[3]。一方で読売新聞の報道を見ると、日本生命が三井生命に対するTOB(株式公開買付け)を2000億円から4000億円にのぼる金額で実行して、三井生命の全株式を取得する方向で動きを見せており[1]、三井住友銀行側と三井住友信託銀行側も日本生命が立案したTOBに応じる考えである、と報じている[1]。大規模合併が達成された際に増える日本生命の保険料収入合算は、5兆8822億円規模にまで向上すると見積もられている[1]。
日本生命が相互会社であることから、当面は株式会社である三井生命を子会社化する方向で話をまとめるという[2]。三井生命のブランドについても現状維持させ、現在の三井生命の契約者に対する影響は無いと報じている[1]。