潜伏キリシタン関連遺産、世界遺産登録
【2018年6月30日】
バーレーンの首都マナマ(マナーマとも)で現在開催されているユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の第42回世界遺産委員会は日本の推薦していた「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」 (長崎県、熊本県[1])を30日、世界遺産に登録することを決定した。文化庁が同日発表した[2]。
日本国内の文化財の世界遺産登録は昨年に登録された福岡県の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」に次いで18件目[1][2]。2013年の「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の文化遺産登録から6年連続となった[3]。
登録される文化財は以下の12件[4]
- 原城跡
- 平戸の聖地と集落(春日集落と安満岳)
- 平戸の聖地と集落(中江ノ島)
- 天草の﨑津集落
- 外海の出津集落
- 外海の大野集落
- 黒島の集落
- 野崎島の集落跡
- 頭ヶ島の集落
- 久賀島の集落
- 奈留島の江上集落(江上天主堂とその周辺)
- 大浦天主堂
林芳正文部科学大臣は「『長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産』が、人類全体の貴重な遺産として世界遺産一覧表に記載されることが決定されたことを大変喜ばしく思います。 (中略) 今回、世界の人々に祝福されつつ見事に資産登録を実現された地元関係者のたゆまぬ御努力に心から敬意と祝意を表します。文部科学省としては、地元の関係各位と連携しながら、人類の共通の宝である貴重な世界遺産の保護に万全を期し、後世に確実に引き継ぐとともに、その価値を積極的に発信してまいります。」という談話を発表した[4]。
2014年には「明治日本の産業革命遺産」との間で競合し、官房長官裁定によって平成26年は推薦されなかった[5]。その後政府は「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」として禁教終了後の建築物を中心とした推薦書を平成27年(2015年)1月に提出していたが[1]、諮問機関イコモスから日本独自の禁教期に焦点を絞るよう指摘されていた[1][2]。
なお、5月に「登録延期」の勧告を受けていた「奄美大島、徳之島、沖縄北部および西表島」について、環境省は早ければ2020年までに再挑戦を目指す方針だ[1][2]。また、大阪府の「百舌鳥・古市古墳群」は来年審査される[2]。
出典
情報源
- 産経新聞 『長崎、天草の「潜伏キリシタン」が世界文化遺産に決定 22件目』 — 産経新聞, 2018年6月30日
- 時事通信社 『潜伏キリシタン世界遺産に=長崎など、国内22件目-ユネスコが登録決定』 — 時事通信社, 2018年6月30日
- 時事通信社 『曲折経て登録実現=苦難の歴史、後世に-潜伏キリシタン世界遺産』 — 時事通信社, 2018年6月30日
- 文化庁 『「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界遺産一覧表への記載決定について(速報)』 — 文化庁, 2018年6月30日
- 時事通信社 『潜伏キリシタン世界遺産へ=奄美・沖縄は登録延期-ユネスコ諮問機関が勧告』 — 時事通信社, 2018年5月4日