滋賀県の新幹線新駅建設は中止に

【2007年10月28日】

新幹線新駅の建設中止を訴えた滋賀県嘉田知事(GFDL)
東海道新幹線車両(GFDL)

東京新聞によると、滋賀県栗東市に予定されていた東海道新幹線新駅の建設計画が正式に中止されることが、10月28日滋賀県や栗東市などの周辺自治体で構成する「新駅設置促進協議会」総会で確認された。

日本経済新聞によると、10月24日に大津市の滋賀県庁で促進協議会の正副会長会議で、新駅建設の凍結を挙げた滋賀県と、建設の推進を崩さなかった栗東市との合意が最終的になされなかったためで、促進協議会とJR東海が交わした覚書に定めた「10月末までに結論が出ない場合工事の協定を終了する」ことに基づき、新駅の建設取り止めが事実上決まっていた。

東京によると滋賀県・嘉田由紀子知事は昨年7月に行われた知事選挙で、新駅の建設凍結の公約を掲げていたため、それを達成させた形となるが、既に着工していた大型公共事業が中止されるのは異例のことである。しかし、新駅に代わる地域振興策や駅周辺整備のために農地を提供した地権者の説明などの諸問題の解決に時間がかかるといわれている。

中日新聞によると、地権者ら13人は10月25日に嘉田知事に「事業に責任を持って、建設中止を見直すように」と声明文を提出した。声明文は「地元にないがしろにされて見捨てられた。180度方向転換することは地権者にとっても今後どのように対応したらいいか途方に暮れている」としている。また守山市山田亘宏市長も会見し、「土地区画整理事業が具体的な対策のある中止でないと困る」と説明した上で、滋賀県が建設時の経済効果と、それを中止した場合の損失の金額提示をしなかったことについても「なぜ対比できる資料を作らなかったのか」と話した。守山市も新駅建設計画のための予算3400万円を今年度予算に計上していたが、これを12月メドで減額補正する方針も明らかにしている。

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