滋賀県の地方紙「みんなの滋賀新聞」創刊から半年で休刊

【2005年9月22日】

滋賀県の県域新聞・『みんなの滋賀新聞』が9月17日で休刊した。休刊は同紙およびウェブサイト上で告知された。朝日などによると、休刊は9月12日に開かれた同社の取締役会で決定された。

同新聞は2005年4月、滋賀県の県域新聞を目指して公称2万部で創刊したが、実際の発行部数は1万部を下回り、広告収入も伸びなかったため、経営が悪化していた。同新聞は、大手通信社のニュース配信提供を受けられなかったことや記者クラブへの加盟も拒否されたことにより、主要な全国ニュースや海外ニュースを掲載できなかった。また、ウィキペディア日本語版によると、創刊当初は16-20ページ建てで発行されていたが、9月になると12ページ建ての日が多くなったという。

加えて、8月30日告示・9月11日投開票された衆議院選挙の報道を同紙は行わず、その事も影響した。公職選挙法第148条では「毎月3回以上、定期的に有償で配布されている」「第3種郵便物の認可を受けている」「選挙公示日から数えて6ヶ月以上前から引き続き発行している」の3つの条件全てを満たしていれば、同法に定められた選挙運動の制限の新聞、雑誌における除外規定が適用される。創刊から4ヶ月しか経過していない同紙はこれに該当しないため、8月29日付朝刊で選挙関係の記事の掲載を休止(自粛)することを発表していた。

中日新聞によると「みんなで作る新聞社の二反田隆治取締役編集局長は『休刊は再発行の準備を進めるが、無期限とする。10月13日付けを持って記者・従業員・派遣社員ら53人の職員を全員解雇する』と話した」としている。また、小林徹社長も9月13日朝に開かれた社員集会で休刊と全員解雇の通知を行った。

これに対しみんなの滋賀新聞労働組合は「新聞発行と雇用の継続を求める」とのコメントを発表し(京都新聞)、委員長が「全従業員の努力を水の泡に帰す会社の行為に強い憤りを覚える。」とコメントしている(BBCびわ湖放送)。

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