温熱治療器を「癌に効く」と無許可販売、薬事法違反容疑で逮捕
【2010年1月6日】
読売新聞・産経新聞によると、兵庫県警生活経済課などは1月6日(UTC+9、以下同様)に、「ゲルマニウムが癌に効く」などと謳い、医療機器を無許可で販売したとして、医療機器製造販売会社・『ルルドゲルマニウム』(兵庫県尼崎市)の実質経営者・田中好信容疑者(同県伊丹市在住)を、薬事法違反(無許可製造販売)容疑で逮捕し、また、当該の医療機器を製造したとして、同・『プロテックフジ』(大阪市北区)社長・和田正記容疑者(大阪府豊中市在住)も、同法違反幇助容疑で逮捕した。
両新聞によると、2人は「国の許可が必要な医療機器ではなく、健康器具だ」などとして、容疑を否認している模様である。
産経新聞によると、田中容疑者は、厚生労働大臣の許可を受けないまま、2007年12月から2009年1月にかけ、プロテックフジが製造した温熱治療器・『Geジェネワン』を、大阪市西成区の34歳の男性ら3人に対し計約340万円で販売。また、和田容疑者は、無許可と知りながら温熱治療機器を田中容疑者に販売するなどしたとされる。同県警によると、田中容疑者は、癌患者らに対し温熱治療機器を販売する際、実際には効果が認められていないにも拘らず、「細胞内の電荷バランスが整えられるため、癌に効く」などと謳い販売。ルルドゲルマニウム社内に於いて、温熱治療機器などを使い癌患者らへの治療も行っていたという。
産経新聞によると、田中容疑者らは2007年10月頃から、温熱治療機器や健康器具など約6,700万円を売り上げていたと見られており、同課は余罪を調べる方針である。また、読売新聞によれば、ルルドゲルマニウム社は、同社のホームページで「腫瘍や脳梗塞にも効果的」などと宣伝し、約2年間で約40台(約5,000万円相当)を売り上げていた模様である。
読売新聞によると、国民生活センターは、「現時点(2010年1月現在)で、ゲルマニウムの治癒効果に科学的根拠は認められない。購入の際は、健康への効果を期待しないよう注意してほしい」と呼び掛けている。
情報源
編集- YOMIURI ONLINE 『温熱治療器「がんに効く」と無許可販売容疑』 — 読売新聞社, 2010年1月6日
- MSN産経ニュース 『「がんに効く」治療器無許可販売の元社長ら逮捕 容疑否認』 — 産経新聞社, 2010年1月6日
関連項目
編集外部関連リンク
編集- ゲルマニウムに関連する相談(相談トピックス) 国民生活センター