水銀規制条約「水俣条約」、10月熊本で採択へ
【2013年1月19日】
共同通信によると、ジュネーブ(スイス)で行われている水銀が原因となる環境汚染・健康被害の防止条約の採択に向けた政府間交渉は19日合意した。条約の名称は、日本が提案した「水銀に関する水俣条約」となった。併せて、同条約は10月9日~11日に熊本県内で国際会議を行い署名・採択が行われることも決まった。
朝日新聞によると、同条約の内容として16品目での水銀使用を制限、輸出入の制限、新たに開設される石炭火力発電所などへの設備の義務化、水銀を含んでいる廃棄物の管理・処理の適正化、金採掘での水銀利用根絶に向けた計画作成、新たに水銀鉱山を開発することの禁止、などが柱となっている。また、毎日新聞によると条約の遵行を審査する委員会の設置や、輸入国側の事前同意が無ければ輸出できないことなども盛り込まれている。
共同通信によると前文には日本が提案していた、「水俣病を教訓として、同様の被害を再び起こさない」との表現が記載されることとなった。一方で、同様に日本が求めていた、被害の補償や環境の回復を汚染した側が負担する原則は記載されなかった。
情報源
編集- 共同通信 『水銀排出規制「水俣条約」採択へ 国連の政府間交渉合意』 — 47NEWS, 2013年1月19日
- 神田明美・前川浩之 『水銀の規制「水俣条約」と命名し合意 政府間交渉委』 — 朝日新聞, 2013年1月19日
- 比嘉洋 『水銀使用規制:「水俣条約」に各国合意…熊本で10月採択』 — 毎日新聞, 2013年1月19日