民事再生法違反容疑で服飾製造・販売業の女性社長ら逮捕
【2011年10月3日】
産経新聞によると、中国に生産工場を所有する服飾卸売会社・『U.F.O.』(民事再生手続中。本社:東京都中央区)と同社の関連会社が金融機関から300億円超の融資を受け、そのほぼ全額が焦げ付いている問題に関連し、大阪地検特捜部は10月3日(UTC+9)に、虚偽の報告書を監督委員に提出したとして、民事再生法違反容疑で同社社長・谷絹子容疑者(61歳、大阪市福島区在住)とその夫の誠容疑者(68歳、同)を逮捕した。
毎日新聞によると、2人の逮捕容疑は、共謀して2010年4月20日に大阪市内の同社事務所で、2009年12月末現在の同社の在庫額が実際には2,700万円以下であったにもかかわらず、それぞれ「約1億2,331万ドル」、「13億7,344万元」と記載された虚偽の製品在庫並びに生地在庫の各明細データを、監督委員を務める弁護士に提出したというもの。
毎日新聞によると、同社は、金融機関などからの借入金の返済に行き詰まり、2010年3月に、約367億円(同社の関連会社の保証債務を含む)の負債を抱え、大阪地裁に民事再生手続を申請し、翌4月に手続開始決定を受けた。
産経新聞によると、同社を巡っては、大阪市内の衣料卸販売会社が、融資金3億円を詐取されたとして、2010年7月に詐欺罪で大阪地検に告訴し、これを受け同地検特捜部は同年9月上旬に、両容疑者の自宅マンションなど関係先の家宅捜索を実施すると共に、金融機関からも事情を聴くなどして、情報収集を進めていた。
毎日新聞によると、10月3日に、絹子容疑者ら個人に対する民事再生計画に関して、大阪地裁が面談を実施し、その直後に同地検の係官らから任意同行を求められたものの拒否したため、同地検は同地裁内で2人を逮捕した。特捜部は、同社が金融機関から融資を受けられるようにするため、虚偽の財務書類を作成したり、決算書を継続して粉飾するなどしていたと判断し、2人を追及する方針である。
産経新聞が関係者の話として伝えたところによると、同社は1986年創業。登記上の本社は東京であるが、主に大阪に拠点を置き、上海や北京に於いて国内外の衣料品のOEM(相手先ブランドでの生産)を展開していた。
産経新聞によると、創業者である絹子容疑者は、中国ビジネスについて卓越した見識を持つカリスマ経営者として、雑誌やテレビで紹介されており、著書も出版している。
情報源
編集- MSN産経ニュース 『服飾卸売会社 女性社長らを逮捕 民事再生法違反容疑』 — 産経新聞社, 2011年10月3日
- 毎日jp 『民事再生法違反容疑:東京の衣料品製造会社社長ら逮捕』 — 毎日新聞社, 2011年10月3日