東京・高円寺の居酒屋で火災事故 4人死ぬ

【2009年11月24日】 東京新聞によると、11月22日午前9:10ごろ(UTC+9 以下同)、東京都杉並区高円寺雑居ビル「第8東京ビル」2階の居酒屋「石狩亭」で火災事故があり、同店舗を含む2階約130㎡を焼いた。この火事で男性4人が搬送された病院で死亡が確認され、12人が怪我をした。警視庁業務上過失致死傷などの疑いで捜査している。

毎日新聞が当時現場にいた客らの証言でまとめたところによると、火災発生当時は20人以上の客で賑わい、9:15ごろカウンターにある焼き場から炎が燃え上がっているのが見え、「最初は酔っていたので、火が出ていると携帯電話で写真をとっていた人もいた」という。その後炎は天井にある飾り物の布に燃え移り、従業員が水をかけるもののすぐに天井に炎が燃え広がり、店内は停電状態となった。そして客や従業員は「助けて!!」などと悲鳴や怒鳴り声を上げて避難をするが、階段には避難客らが殺到し、階段で覆いかぶさる状態となり騒然となったという。

東京新聞によると、このビルは1967年に建築されたもので、高円寺駅南100mのところに位置。「高円寺パル商店街」のアーケードに面した場所にあり、地下2階・地上5階建て。このうち地下の箇所はライブハウスがあり、地上の1・3・5階にも飲食店が入居。また地上4階にはマージャン店がある。また今回の火災があった店は1980年開店。通常は午後5時から翌朝午前10時に営業している。

毎日新聞によると、ビルの管理・所有をしている「東京ビルディング社」は高橋昭彦社長が会見し「死亡した従業員やお客さんに申し訳ない」と謝罪し、その上で「ビルの防火体制には問題がない」という認識を示した。消防法では飲食店で布製品を使う場合は防火性能のあるものを使うように義務付けているが、この店の従業員によると、「天井の汚れを隠すために布をつるしていた」という。東京都消防庁は消防法違反の可能性があるとして調査するという。

また東京都消防庁によると、この店は2002年4月に立ち入り検査を行ったとき、防火管理者がいなかったり、消防計画が作成されていなかった消防法違反があったが、その後同6月までに改善。そして2008年12月にこのビルの階段等の共用部分を検査したが違反は確認されなかった。また今年7月には同店から消防計画に基づく消防訓練が行われたという届出があった。またビル自体は小さいため、スプリンクラーの設置義務はなかった。

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