月周回衛星「かぐや」、月に旅立つ - 日本の打ち上げ、民営化後に初成功

【2007年9月16日】

14日、月周回衛星「かぐや(SELENE)」を載せたH-IIAロケット13号機の打ち上げに成功したと三菱重工業株式会社宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発表した。三菱重工業によると今回の打ち上げは民営化後初めてとなる。

同日10時31分01秒(UTC+9)に種子島宇宙センターから打ち上げられたロケットは、打ち上げの約45分34秒後に衛星「かぐや」との分離が確認された。また、太陽電池パドルやハイゲインアンテナなど周辺装置の展開もその後順調に行われていると15日にJAXAから発表され、今後は月周回軌道への投入が行われる。衛星は月に関する広範囲の観測を約一年行う予定で「月の起源と進化の解明」を目指す。

当初、8月16日とされていた打ち上げは子衛星の部品交換により9月13日へ延期となり、天候不順のために14日へ変更されていた。

読売新聞によると、本格的な月探査は米国アポロ計画以降行われてなかったが、米国・中国インドなどがそれぞれ衛星の打ち上げを予定しており、これに先立ち日本の打ち上げが行われた。

中国初となる月探査衛星については10月30日に打ち上げられることが産経新聞により伝えられ、またインターネット検索のグーグル(Google)が現地時間13日、月面探査ロボットの打ち上げに対して総額で賞金3000万ドルとなるコンテスト実施を発表していることをAFPが報じており、国際的に月探査への関心が高まりをみせている。

打ち上げ市場への参入を果たした三菱重工業は今回の打ち上げに先立つ同年4月、欧州のアリアンスペース(Arianespace S.A.)との間で商業衛星の打上げ輸送サービスを顧客に共同提案していくことを発表しており、この提携と今回の成功を足場に打上げ輸送サービスを本格化する。

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"月周回衛星「かぐや(SELENE)」、9月13日に打ち上げへ"ウィキニュース、2007年8月17日

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