日米含む6カ国が地球温暖化防止のため地域協定

【2005年7月29日】

アメリカ合衆国インドオーストラリア韓国中国日本の6カ国が、地球温暖化につながるガス排気量を制限することを目的とする地域協定を結んだとAFP通信が29日報道した。ほぼ1年にわたる非公開の交渉の結果。新協定「クリーンな開発と気候のためのアジア太平洋パートナーシップ」 は現在のところ、排気量削減を目標に含めていない。

環境保護団体はこの協定に対し、法的な枠組みを伴わず、京都議定書の代わりにはならないと非難している。アメリカとオーストラリアは京都議定書の受け入れを拒んでいる。中国とインドは京都議定書を批准しているが、開発途上国であるため、ガス排気量の削減目標を設定する義務を負わず、目標値を設定していなかった。一方、京都議定書では、ガス排気量を2010年までに5.2%削減し、1990年のレベルに戻すという固定目標が設定されている。

批判に対して、ダウナー豪外相は「京都議定書やそのための各国の取り組みを否定するつもりはない。地域協定は京都議定書を尊重しており、それに変わるものではない」と述べた。

ジョン・ハワード豪首相は、「オーストラリアは代替エネルギー技術を追求するべきではなく、むしろ石炭使用による排気ガスの削減に傾注すべきだ」と述べた。同国は世界最大の石炭輸出国である。また、ハワード首相は「オーストラリアは不合理にも自身を罰する(べきではない)。実際にわれわれは、自国で産出される天然資源の、燃料としての使用を減らしつつある」とも述べた。

しかしながら協定は、クリーンエネルギー技術のための基金の創設を含んでいる。この技術には天然ガスと新エネルギーのより効果的な使用、温室効果ガスを大気に放出する代りに回収し貯蓄するための方法が含まれる。中国、インド、他の開発途上国がクリーンエネルギーを採用することを助けることが、こうした技術には期待されている。

協定の詳細は、11月に行われる6カ国協議の後、決定される。この協議は気候変動に関する次回の国連サミットの直前に行われる。

6カ国は地域協定が京都議定書より公平でかつより効果的であると信じているが、環境保護団体からは批判が出ている。環境保護団体グリーンピースのスポークスマンは次のように述べた。「提案された枠組みは、京都議定書とは異なり、任意のものである。そしてあらゆる証拠は任意による枠組みが機能しないことを示している。こそこそ動き回ることは秘密主義につながり、秘密主義に基づく協定では排出量削減は達成できない」

気候変動に関する国連の委員会は、2100年には地球の平均気温が1.4度上昇し5.8度になるとの報告を受け取っている。アメリカ合衆国と中国は、代表的な温室効果ガスである二酸化炭素の排出量で世界第1位および第2位を占めている。

英語版ウィキニュースからの翻訳を含みます。

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