日本書紀に登場の幻の池?奈良県橿原市で発見される

【2011年12月16日】

読売新聞朝日新聞によると、奈良県橿原市で、『日本書紀』や『万葉集』に登場する『磐余池(いわれいけ)』のと考えられる遺構と大型建物跡(6世紀後半)などが出土したと、同市教育委員会12月15日UTC+9)に発表した。

朝日新聞によると、これまで所在地が不明とされていた「幻」のである可能性をもつ遺構が発見されたのは初のこととなる。読売新聞によれば、今回発見された大型建物跡は、聖徳太子の父・用明天皇宮殿であるとの見方がある。飛鳥時代7世紀)よりも古い時代の天皇の宮殿はこれまで確認されたことがなく、今回の発見が6世紀以前の都の実態の解明に向けての重要な手掛かりになる可能性がある。

読売新聞によると、一帯は大和三山の一つである天香久山(あまのかぐやま)の北に位置する藤原京跡の一角で、地形そのものの他、「池」の付く地名が多いことなどから、磐余池の候補地と見なされていた。同市教委は、10月から道路工事に伴い発掘調査を実施したところ、長さ81メートル、幅8メートル、高さ2メートルの堤跡を発見された。周辺の地形などから鑑みて、堤は「へ」の字状に築かれており、最大幅55メートル、高さ3メートル、長さ約330メートルあると考えられる。複数のから発するを堰き止めたうえで、南北約600メートル、東西約700メートルの範囲に、面積8万7500平方メートルに及ぶ池を形成したものと考えられ、平安時代まで存在したと見られている。

朝日新聞によると、さらに、堤の上の土地からは、南北17.5メートル以上、東西4メートルにわたる掘立柱の建物跡が出土した。この建物跡と共にに出た土器から推測して、6世紀後半頃に建てられたものと考えられ、また、堤と並行して築かれていることから、池を眺めるために建てられた可能性が高いとされる。

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