日本全国でノロウイルスが流行、食中毒も相次ぐ

【2006年12月20日】

ノロウイルス(資料)

ここ数週間、日本全国でノロウイルス (NV) が大流行し、集団罹患も相次いで発生している。

岩手日報によると、盛岡市のホテル「ホテルメトロポリタン盛岡ニューウイング」で10日に行われた結婚披露宴に出席した客、スタッフの内、53人が翌日以降下痢、嘔吐の症状を訴えていたが、NVが検出されたとして、岩手県が19日、NVが原因であったと発表した。

秋田放送によると14日、11日に秋田県秋田市内の仕出屋で調理した弁当を食べた数名が食中毒症状を訴え、15日までに症状を訴えた人は190人に上り、入院患者も出た。秋田市保健所によると、仕出屋の従業員の便からNVが検出されたため、その仕出屋に対し16日、無期限での営業停止処分を下した。同店では、3日間に約5,600食の弁当を販売。秋田県庁や県警などの官公庁にも、弁当を販売していた。

NHK秋田放送局によると、秋田県庁や県警の公務員のうち、50名が発症。そのため、秋田県では16、17日の両日に渡って、発症した職員のいる県庁や免許センターなどのトイレを消毒・清掃した。

朝日新聞によれば、国立感染症研究所は15日、小児科医療機関から報告された平均患者数が21.8となったと発表した。これは、統計を取り始めて以来の数値だ。また、食物からの感染よりも、人から人への感染、すなわち人の排泄物(便や嘔吐物)からの接触感染、空気感染が主流となっているという。また、今年検出されたNVの遺伝子型はすべて人から人への感染が多く見られるGII/4であった。

秋田放送が21日の報道によると、秋田県鹿角市のホテルで宿泊した37人から下痢等の症状を訴え、検査した9人からNVが検出された。ホテルは年末(12月31日)まで自主休業中。 

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