日本の著作権保護期間50年から70年へ変更? 文化庁2007年度にも諮問予定

【2006年7月23日】

著作権マーク(資料)

読売新聞によると、日本においての著作権保護期間を、現行の著作者の死後50年間から70年間へ延長することを求めていくことで、日本文藝家協会や日本音楽著作権協会、日本美術家連盟、日本写真著作権協会などの関係団体の意見が一致した模様。文化庁は著作物利用者の意見も参考にした上で、来年度中にも文化審議会の著作権分科会に諮り、改正を目指すという。

2004年度には映画のみ著作権が50年から70年に変更になったが、その他の個人の著作物については死後50年間のままであった。しかし、その他の個人の著作物も70年に延長することが急務、とする声が上がり、今回の動きに至った。

読売によると、日本漫画家協会などもこの改正法に賛同しており、発表後50年保護となっている団体名義の著作物についても、今後検討する模様。

朝日新聞の7月16日付の記事によると、改正論議の背景には、保護期間を過ぎて公開された作品の質が低下していることや、保護期間が過ぎていない欧米の作品の翻訳版などが日本では発行可能であることなどがあるとされる。しかし一方で、著作権の保護期間延長に反対する動きもある。その主な理由は、保護期間を過ぎた作品の自由な利用が遅れたり、作品の入手元が限られるために入手が困難となる作品が増えるため、あまり有名でない多くの作品は広まりにくくなる、といったようなものである。

主な国の著作権保護期間(著作者の死後)
25年
30年
50年
70年
75年
99年
100年
スーダン
セイシェル
ジブチ
イエメン アイスランド
ベラルーシ
カナダ
中華人民共和国
エジプト
インドネシア
日本(映画は公開後70年)
サウジアラビア
アルゼンチン
オーストラリア(1955年以降)
ブラジル
EU加盟25か国
スイス
ロシア(2004年以降)
アメリカ合衆国
グアテマラ
ホンジュラス
コートジボワール メキシコ
著作権の保護期間およびList of countries' copyright lengthの情報による。

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