日本の中央官庁で職員がウィキペディアに書き込み

【2007年9月11日】 朝日新聞によると日本の中央官庁のコンピュータからウィキペディア日本語版へ都合のいい記事の書き換えが何度も行われていたことが判明した。ウィキペディアはアカウントユーザー以外が編集を行うとIPアドレスが目に見える形で記録される。今回の問題は今年8月に米国の技術者がこの記録を容易に解析できるWikipedia Scannerを公開したため明らかになったもの。問題とされた書き込みは主に自分達に都合の悪い記述を削除し、政敵に都合の悪い記述を追加すると言う内容のものであった。

本サイトの記者が確認したところ、宮内庁管轄のアドレスからは天皇陵の項に対して「天皇制の根拠を根底から覆しかねない史実が発見されることを宮内庁が恐れているのではないかという見方もある」などと言った記述が除去されていた。同庁はこれらに対して調査を行った際に職員が自ら名乗り出たため厳重注意をしたとの旨を風岡典之次長が9月10日の会見で明らかにしている。読売新聞によるとこの職員は天皇陵の他にも大宰府等の項目を2005年から2006年に数十回にわたり勤務時間外に編集していたということが明らかになっている。これらの問題を受け、宮内庁は同庁職場内のパソコンからウィキペディアの編集が出来ないようシステムを変更したという。

また、ミスター年金こと民主党長妻昭衆院議員の項では厚生労働省管轄のアドレスより「行政官を酷使して自らの金稼ぎにつなげているとの指摘もある。」との書き込みが行われていたことも分かっている。産経新聞によるとこのほかに文部科学省総務省等からも、日本の行政を批判する内容の編集がなされていたという。

さらにサンケイスポーツによると、趣味目的の書き込みとして、厚生労働省管轄のアドレスからアダルトゲームななついろ★ドロップスなどが編集されていたり、農林水産省管轄ではガンダム関連の書き込みが行われていたことも判明している。

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