愛されたカラーフィルムに終焉
【2009年6月23日】
時事通信と産経新聞によると、米写真関連大手のイーストマン・コダックは22日(UTC+9、以下同様)、カラーフィルム「コダクローム」の製造を年内で中止することを明らかにした。日本での販売は既に中止されている。
コダクロームは1935年に世界初の市販カラーフィルムとして発売された。ネガフィルムと異なり、現像したフィルムに画像が再現される「リバーサルフィルム」で、再現性が高いことからスライドなどにも使われ、プロカメラマンを中心に人気を集めていた。しかし、コダクロームは現像工程が特殊で、それを行える工場は現在では米カンザス州の1ヶ所だけとなっていた。
産経新聞によると、コダック社の売り上げ全体の7割がデジタル分野を占め、コダクロームは売り上げの1%未満。また、時事通信によると、売り上げがコダック静止画フィルム全体の1%程度だとしている。歌手ポール・サイモンの曲「僕のコダクローム(邦題)」にも歌われたカラーフィルムは、フィルム不要のデジタルカメラが全盛期を迎える中、歴史の幕を静かに閉じる。
情報源編集
- 時事ドットコム 『名カラーフィルム、製造中止へ=デジタル化に勝てず-米コダック』, 時事通信、2009年6月23日。
- 産経ニュース 『ポール・サイモンに歌われた名フィルムが退場』, 産経新聞、2009年6月23日。
外部リンク編集
- 『Kodak Retires KODACHROME Film; Celebrates Life of Oldest Film Icon in its Portfolio』, イーストマン・コダック、2009年6月22日(UTC-4)。
- 『コダクローム フィルム』, コダック、2009年6月25日閲覧。 - 日本法人による製品説明。
- コダック(株)・加賀ハイテック(株) 『「コダクローム64フィルム」販売終了のお知らせ』, コダック、2006年12月13日。 - 日本における販売終了発表。