彗星のちりを採取したカプセルが地球に帰還―NASAの探査機スターダスト

【2006年1月18日】

帰還したカプセル、NASA
スターダストの行程のイメージ図、一番外側の円がヴィルト第2彗星の軌道、一番内側の円が地球の軌道、NASA

アメリカ航空宇宙局 (NASA) の無人探査機「スターダスト」(Stardust)が切り離したカプセルが、アメリカ東部時間 (UTC-5) 15日午前5時10分(日本時間15日午後7時10分)ごろアメリカユタ州の砂漠にある空軍施設の用地内に着地した。

読売新聞によればカプセルには、2004年1月にヴィルト第2彗星 (81P/Wild) の近傍を通過した際に採取した、彗星から出たちり(宇宙空間に漂っているちりも含まれる)が入っている。彗星のちりを採取して地球に持ち帰ったのは世界初。2,000粒ほどのちりが採取されたと見られており、太陽系誕生当時の様子を解明する手がかりとして期待が集まっている。CNNによれば、詳細な分析結果が判明するまで数年はかかるという。

朝日新聞によれば、カプセルが開いたパラシュートが強風で流されて、着陸地点が予定より北に7kmほどずれ、着地時間も予定より2分早かったものの問題はなく、後に陸軍施設の「クリーンルーム」に搬入された。ちりの格納容器を耐熱カプセルから取り出す作業は日本時間15日中に始まっている。開封作業はテキサス州のジョンソン宇宙センターで17日に行われる。

NASAによると、「私たちが今朝早くユタの砂漠からリターンカプセルを首尾よく拾ったとき、10年にわたる計画と7年にわたるフライトが実った」と、NASAのジェット推進委員会研究所のトム・ダックスベリー・スターダスト・プロジェクト・マネージャーは語った。

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