広島県福山市でホテルが全焼、7人死亡し3人重傷

【2012年5月14日】

火災事故が起きたホテル・プリンスの駐車場付近。屋上付近や駐車場入り口付近に延焼した跡とその瓦礫がはっきりと見られる
北側にある西桜町公園から見た火災現場

毎日新聞時事通信によると、5月13日午前7時(UTC+9)頃、「ホテルプリンス」(広島県福山市西桜町)から出火し、鉄筋コンクリート一部4階建て延べ約1,360平方メートルの同ホテルが全焼した。

毎日新聞が広島県警の話として伝えたところによると、宿泊客13人のうち7人(男性3人、女性4人)が死亡し、女性客2人と女性従業員(75歳)の計3人が重傷。福山地区消防組合の話では、死傷者は20-70歳代であるという。

毎日新聞によると、同県警は、死亡した7人の身元確認を急ぐと共に、同ホテルの防火設備などに問題が無かったかなどについて、同ホテルの女性経営者(63歳)から事情を聴くなど捜査を開始。また、被害の重大性などに鑑み、同県警は、容疑者不詳のまま殺人容疑で令状を請求し、14日朝から現場検証を実施している。他、総務省消防庁も、職員を現地に派遣し調査を開始した。

時事通信によると、同ホテルは、鉄筋コンクリート建築部分に木造部分を併設した4階建てで、1階のフロント兼事務室や2階の倉庫の辺りが激しく燃えている模様である。

時事通信が同県警福山東署の話として伝えたところによると、死亡した7人は、遺体の状況などから、多くは一酸化炭素(CO)中毒で死亡した模様である。また、重傷者のうち1人は、2階から飛び降りた際に肋骨骨折した模様。また、死亡した7人のうち、男性2人と女性3人は2階、男女計2人は3階の客室で倒れていた。火災の前日の13日には、客は13人が宿泊していた。うち男性4人は自力脱出し怪我は無かった。

時事通信によると、同ホテルは、2003年9月に同市が実施した消防査察に於いて、消防用設備の点検が未実施であること、屋内消火栓設備が基準不適合であること、消防訓練が実施されていない、の3点の消防法違反の指摘があった。また、同市建築指導課からも、1987年以降5回の査察で、毎回、非常用照明排煙設備など8項目が、建築基準法上不適格と判定されていた。

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