広島の市民団体、カザフスタンに医師団を派遣
【2005年9月16日】
広島市の非営利団体ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクトは、今月、医療チームをカザフスタンのセメイ(ロシア語名称セミパラチンスク)へ派遣する。16日、中国新聞が報じた。医師と看護婦のあわせて7名からなる訪問団は、9月19日から26日までセメイを訪問し、診察を行い医療機器を贈る。ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクトが医療チームを派遣するのはこれが8回目。
セミパラチンスクには旧ソ連の核実験場があり、1949年から1989年にかけて470回以上の核実験が行われた。現在は核実験場は閉鎖されているが、放射能を帯びた落下物(核の灰)の被害を住民が受けている。ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクトによれば、120万人が核の灰の影響を受けているともいわれる。セメイ市は人口35万人だが、現在把握されている限りで、30万人ほどが放射能の後遺症を受けている。
ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクトは、1999年に設立された広島の市民団体。セメイへの医療援助や、日本国内での啓蒙活動を中心に活動を行っている。会員には被爆2世などもいる。結成のきっかけは、1994年の広島アジア大会で、発起人のひとりがカザフスタン人(当時はソ連)と知り合いになったことをきっかけに、セミパラチンスクでの核被曝への理解が進み、結成にいたった。医療援助のほかに、カザフの高校生を留学生として日本に迎え、教育にも支援を行っている。
出典
- 『セミパラへ被曝支援医療団派遣へ』 — 中国新聞, 2005年9月16日
- 『国際貢献の必要性 発信』 — 読売新聞, 2002年
- 『ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト』 — ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト, 2004年8月24日