山口県などで集中豪雨 土石流による死者も
【2009年7月22日】
山口県や鳥取県で21日(UTC+9)、梅雨前線が発達したことによる記録的豪雨で土石流が相次いで発生した。 [1]
同日正午すぎ、防府市真尾にある特別養護老人ホーム「ライフケア高砂」の裏山が崩れた。山口県警によると、この山崩れで土石流が発生したとみられている。82歳の男性ら入所者男女3人が死亡し、3人が軽傷、4人が行方不明となった。県や防府市消防本部によると、施設には約90人が入所していた。建物は地上2階建てで、1階部分は土砂で埋まった。同日20時ごろまでに、施設に残っていた87人がヘリコプターで救助された。[1]
また、防府市の国道262号でも土石流が発生し、85歳の女性が死亡、近くに住む夫婦の行方がわからなくなっている。また、国道では鉄砲水も発生し、消防隊員が巻き込まれたが、幸い無事だった。[1]
防府市奈美では、川に流され66歳の男性が、鳥取県江府町でも増水した川に転落して49歳男性が死亡[1]。22日早朝に再開された山口県警と消防による捜索で下関市で行方不明になっていた74歳男性が遺体で発見された。山口県内では依然として10人が行方不明になっている[2]。
山口県によると防府市と山口市で少なくとも3つの集落が土石流の影響で孤立していたが、21日夜までに解消された[1]。被害は22日10時現在で住居全壊1棟、半壊1棟、一部破損10棟、床上浸水79棟、床下浸水433棟[2]。山口市や防府市では約3万8000世帯が断水し、山口、防府、周南各市では避難勧告がだされている[1]。
下関地方気象台は、防府市では雨が降り始めた19日13時から21日16時までの総雨量が297.5ミリ、21日9時20分までの1時間では観測史上最大の70.5ミリを記録したと発表した。[1]
この災害について麻生太郎首相は22日、林幹雄防災担当相を現地へ派遣し、関係省庁と連携し対策に万全を尽くすよう指示。また、河村建夫官房長官は記者会見で「地元自治体と協力して行方不明者の発見、早期の災害復旧に全力を尽くす」と話した。[2][3]
情報源
編集外部リンク
編集- 『災害時気象資料 平成21年7月20日から21日にかけての梅雨前線に伴う山口県の大雨について』 — 下関地方気象台, 2009年7月22日
- 気象庁
- 『1時間ごとの値 防府 2009年7月21日』 — 気象庁, 2009年7月22日
- 『観測史上1~10位の値(年間を通じての値)- 山口県(防府)検索結果』 — 気象庁, 2009年7月23日閲覧
- 山口県
- 『7月21日の大雨による災害救助法の適用について』 — 山口県, 2009年7月22日
- 『7月21日の大雨による災害救助法の適用について(追加分)』 — 山口県, 2009年7月22日