寝台特急「出雲」廃止を検討
【2005年12月14日】
11月30日の「日本海新聞」によると、現在JRが東京駅と島根県の出雲市駅の間を結んでいる寝台特急列車「出雲」1往復について、JR西日本・東海・東日本が廃止を含めた運行見直しをしていることが、11月28日に行われた鳥取県議会企画土木常任委員会で明らかになった。
「出雲」は、1951年に東京駅と、島根県にあった大社駅を結んで運行が開始された急行列車「いずも」を創始とし、1972年には特急に格上げされた。1978年には東京と山陰を結んでいた別の列車を列車愛称整理のため「出雲」に統合したため、特急「出雲」は2往復体制となった。当時は東京と山陰の間には航空便がさほど発達していなかったこともあり、利用客が多い有数の列車として親しまれていた。1998年には、1往復が京都駅~米子駅間において山陰本線経由から伯備線経由に経路が改められた上で電車化され「サンライズ出雲」となるなど、利用者獲得のための積極的な姿勢も見られた。
しかし電車化されずに存続した山陰本線経由の1往復「出雲」は、車両が老朽化していることや、東京~米子間においては「サンライズ出雲」より所要時間がかかること、ライフスタイルがレジャー中心のものへ変化したことなどから、時代のニーズに対応できず利用客が減少し、ピーク時の3分の1にまで低下しているという。
鳥取県としては、「出雲」が、県都鳥取市を含む県東部、中部と東京を直接結ぶ唯一の交通路となっていることもあわせ、地域相互間輸送における重要な足として存続を呼びかけていく方針とされる。JR側の結論は、12月中に出る見通し。
出典
編集- 『特急「出雲」廃止を検討 JR、年内にも結論』 — 日本海新聞, 2005年11月30日
- 『兵庫8、鳥取2割で合意 余部鉄橋架け替え事業費』 — 日本海新聞, 2005年11月25日