富士山、三保の松原を含め世界遺産登録正式に決まる

【2013年6月23日】

富士山を富士市から眺める
三保の松原と富士山

毎日新聞によると、カンボジアプノンペンで開催されているユネスコの第37回世界遺産委員会で、現地6月22日、日本の政府が推薦した富士山世界文化遺産として登録することを正式に決定した。一旦は富士山から45㎞も離れていることが疑問視され、登録からの除外が勧告されていた三保の松原についても、委員各国から除外についての異論もあったことから、今回の世界遺産登録に加えられることが決まった。

NHKによると、今回の富士山の世界文化遺産登録審査は最初にユネスコの諮問機関から「富士山は世界遺産に登録することがふさわしいが、三保の松原は除外すべき」と勧告。その後20か国の委員から三保の松原の除外について疑問を呈する意見や富士山を称賛する声も高まった。このため当初10分程度とみられていた審議が約50分もかかる異例の展開となったが、最終的に諮問機関の勧告を覆して、三保の松原を含む富士山全域を世界文化遺産として登録されることが正式決定した。

毎日によると、日本の世界遺産は2011年に登録された小笠原諸島世界自然遺産)と岩手県平泉(世界文化遺産)に続いて17件目(内訳:文化遺産13、自然遺産4)になる。

湧き上がる地元では

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NHKによると、三保の松原を含む富士山の世界遺産登録を地元も歓迎しており、静岡市役所では職員らがインターネット回線を使った中継でその審議の様子を見守り、最終的に世界遺産認定が決定すると「もうだめかと思っていたので良かったです」(ある職員)が安どの笑みを見せていた。また朝日によると、三保の松原近くの旅館で女将をしている遠藤まゆみさん(55)は「選ばれたの? うそー」と驚き、「三保の神様が(三保の松原を)残せと言ってくれた」と喜びを語った。

NHKと朝日によると、富士宮市役所のロビーでも大型モニターに中継が映し出され、市民約500人が見守る中登録決定の瞬間を待ち、登録が決まるとお祝いの久寿玉を割るとともに、「おめでとう」などの歓声が沸きあがった[1]ほか、山梨県庁でも、平出亘副知事らが、富士山にちなみ「二の二の三!!」の掛け声を合図に、「祝・世界遺産」と書かれた横断幕を掲げ、また山中湖では223発の打ち上げ花火も披露された[2]他、富士吉田市でも市民に向けて防災行政無線で世界遺産登録決定について報告された[1]

安倍首相も祝福

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また読売新聞によると安倍晋三首相が6月22日、記者団に「富士山は日本の誇りで日本人の心のよりどころでもあるから、本当にうれしい。ぜひ世界中からたくさんの皆さんに富士山に来ていただきたい」と世界遺産登録を歓迎・祝福するコメントをした。

情報源

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  1. 1.0 1.1 NHKより
  2. 朝日より