実質賃金マイナス、7か月連続 前年同月比
【2022年12月8日】
2022年12月6日、厚生労働省は同年10月の毎月勤労統計調査(従業員5人以上)の速報値を発表した[1]。
基本給や残業代などを合わせた現金給与総額(名目賃金)は1.8%増で10か月連続でプラスになったが、インフレ率を加味した実質賃金は前年同月比で2.6%減になった[1]。9月の速報値は名目賃金2.1%増、実質賃金1.3%減[2]。実質賃金がマイナスになるのは7か月連続[1]。
10月速報によると、現金給与額は27万5888円 (1.8%増)、うち所定内給与は25万81円、所定外給与(残業代に相当)は1万9522円で、それぞれ1.3%増、7.9%増だった[2]。給与自体は10か月連続で増加しているが物価上昇率に追いついておらず、実質賃金はマイナスが続いている[1]。
実質賃金は2015年(平成26年)以降マイナス基調で、プラスになっても翌年にはマイナスに戻るという一進一退の状況が続いている[3]。
西暦(元号) | 実質賃金(年率) | 備考 |
---|---|---|
2015年(平成26年) | -2.8% | |
2016年(平成27年) | -0.8% | |
2017年(平成28年) | 0.8% | |
2018年(平成29年) | -0.2% | |
2019年(平成30年) | 0.2% | 10月1日より消費税を8%から10%へ増税 |
2020年(令和元年・2年) | -1.1% | 2月から国内で新型コロナウイルスが蔓延 |
2021年(令和3年) | 0.7% |
実質賃金は1990年以降の30年間ほとんど上昇していない一方、社会保障費・国税・地方税を合わせた国民負担率は約8パーセント以上上昇し、 46.5パーセント (2022年見通し) に達している[4]。財政赤字まで含めた国民負担率は2020年に50パーセントを越え62.8パーセントにまで達した[4]。
情報源
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 北海道新聞「10月実質賃金7ケ月連続減」。『北海道新聞社』、2022年12月7日16版10面。
- ↑ 2.0 2.1 北海道新聞「9月実質賃金6ケ月連続減」。『北海道新聞社』、2022年11月9日16版10面。
- ↑ 『毎月勤労統計調査 令和4年4月分結果確報 概況』 — 厚生労働省, 2022年6月24日
- ↑ 4.0 4.1 財務省 『負担率に関する資料の』 — 財務省,