国連総会、人権理事会の初代理事国を選出

【2006年5月11日】

経済社会理事会・人権委員会が入っている国際連合本部(GFDL)

国際連合広報センターによれば、国連総会は9日に、これまでの国連人権委員会に変わり新たに設置した国連人権理事会の理事国47カ国を秘密投票により選出した。 日本の外務省によれば、この理事会は3月15日の国連総会で採択された決議により設置されるもので、経済社会理事会の機能委員会であった人権委員会を格上げし、総会の下部機関となる。また、重大な人権侵害を行った理事国については総会が理事国資格を停止できるとされている。理事国は地域ごとにアフリカ13、アジア13、ラテンアメリカ・カリブ海8、東ヨーロッパ6、西ヨーロッパとその他7に割振られ、計47カ国で構成される。

今回の選挙では63カ国が立候補、選出された国は下記の通り。国名の右の()内の数字は得票数。

朝日新聞によれば、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、候補国の内ロシア、中国、イラン、キューバ、パキスタン、サウジアラビア、アゼルバイジャンの7カ国を人権問題があると指摘していたが、イランを除く6カ国が選出された。産経新聞は、開発途上国のグループによる相互協力があったためとの見方を伝えている。朝日によれば中国外交部の劉建超報道官は9日、「中国の当選は、理事会が人権を保護するのに役立つと考える。」と論評した。産経によればアメリカのシルバーバーグ国務次官補は、「いくつかのメンバー国は基準を満たしていない」と述べた。(アメリカは今回の選挙への立候補を見送っている。)

出典

編集