国連、トーゴでの大量殺害を指摘 トーゴ政府は否定的声明
【2005年9月28日】
報道によると、トーゴで今年行われた大統領選挙で、反対派のうち少なくとも400人が秘密警察などに不法に殺害されたと国際連合が26日指摘した。トーゴ政府はこの指摘を否定する構えを示している。
26日、ルイーズ・アルブール国連人権高等弁務官はトーゴでの人権侵害に関する報告書を明らかにした。報告書は、今年行われた大統領選挙で、秘密警察が、少なくとも400人から500人を不法に殺害したとしている。
IRINによれば、このとき殺害された犠牲者の数にはさまざまな説がある。トーゴ内務省では69人、西側外交筋では100人以上、トーゴ人権同盟では800人以上と見積もっている。
ニューヨークタイムズによれば、報告書では殺害の状況も述べられている。一部の犠牲者は即死したが、斧などで殺された犠牲者もあった。
IRINなどによれば、報告書は反対派の責任についても言及している。反対派による、政府支持者への暴行や財産の破壊なども行われていた。
ロイター通信によれば、トーゴ政府はこの報告書に対し、公式の声明を出して反論した。政府は、報告が事態の把握に役立つ可能性があるとしつつも、犠牲者の数に根拠がなく、議論の余地や間違いを含みうるとしている。
BBCやAP通信などによれば、トーゴでは2月にニャシンベ・エヤデマ前大統領の死去に伴い、いったん軍の支持を得た前大統領の息子フォール・ニャシンベ設備・鉱業・電気通信相(当時)が大統領に就任すると宣言した。しかし国際的な圧力を受け数週間後就任を撤回。4月24日に選挙を行い、ニャシンベ氏が改めて政権についた。前大統領は39年間政権にあり、独裁的な政治を行っていた。反対派は選挙で不正が行われたと主張している。
出典
- "UN says Togo unrest killed 400-500"。Reuters、2005年9月26日。
- "'Hundreds' died in Togo protests"。BBC News、2005年9月27日。
- "UN: Togo Government Violated Human Rights"。Associated Press/ABC、2005年9月27日。