国軍とLTTEの戦闘が拡大、死者200人近くに―スリランカ北東部

【2006年8月13日】

 赤:LTTEの支配地域
 オレンジ:一部LTTEの支配下にある地域
 黄:LTTEが主張する領土
(2005年12月時点、GFDL資料)

ノルウェーなどの仲介で停戦中だったスリランカ国軍とタミル・イーラム解放のトラ(LTTE)の内戦は、LTTEが水門を閉鎖して下流への給水を停止したことをきっかけに事実上再開し、北東部で散発的な戦闘が広がっている。

産経新聞や読売新聞によると、LTTEがトリンコマリーの水門を閉鎖したことで、国軍が戦闘を開始しLTTEも応戦した。LTTEはムトゥールを占領したものの、4日には国軍が制圧し、ロイターによれば200人近くが死亡した。ノルウェー特使の仲介で、8日には水門が開放されたものの戦闘は続き、11日には北部のジャフナ近郊でも双方による戦闘が行われた。

読売新聞やロイターによると、国防広報官が会見で「LTTEは国軍の攻撃を誘発している」と述べるなど国軍側はLTTEに原因があるとしているが、LTTE側は「水門がある地域はLTTE側のものだ」と主張して、国軍の攻撃は事実上の宣戦布告だとしている。

ロイターによると、ノルウェー・アメリカ・EU・日本などで構成するスリランカ和平組織は声明で、「罪のない市民に耐えがたい苦痛が押し付けられている」として双方が戦闘を停止して交渉に戻ることを呼びかけた。しかしLTTE側は、和平交渉に戻れるようになるのはまだ先のことになるだろうとしている。

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