台湾・鳥インフルエンザ対策「タミフルの特許侵害もやむをえず」

【2005年10月24日】

オセルタミビル 構造式

鳥インフルエンザ治療薬のオセルタミビル(商品名:タミフル)が不足しているため、台湾はタミフルの製造元で特許を保有しているスイスのホフマン=ラ・ロシュ社の同意を得ずにタミフルをコピー製造する方向へ向かっている。台湾当局は、ロシュに製造許可を求めているが、公衆を守るためとして、ロシュからの答えを得る前に製造準備にかかっている。タミフルは現在インフルエンザにもっとも有効な治療薬として全世界で使われている。

ロイター通信とのインタビューにこたえ、台湾の行政院衛生署疾病管制局の蘇益仁(Su Ih-jen)局長は、次のように語った。「ロシュ社との交渉では最善を尽くしてきました……。ロシュ社にはわれわれが悪意でなく行動していることを見せましたし、ロシュ社の特許には恩恵を感じています。しかし最も大事なことは、人々を守ることなのです」

行政院衛生署ではタミフルのジェネリック版(類似医薬品)の製造を予定している。台湾は製造した治療薬を商業的に売るつもりはないが、台湾国内での十分な備蓄に必要な量として、100万から200万単位の製造を予定している。台湾当局はロシュより迅速にかつ安価にインフルエンザ治療薬を製造できるとしている。台湾でこの薬を製造するためにかかるコストは2億台湾ドルであるのに対し、ロシュから購入した場合には10億台湾ドルが必要となる。100万単位のインフルエンザ治療薬を製造するためにはほぼ3ヶ月が必要となる。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)=日本経済新聞によれば、台湾のほか、インドとタイがタミフルのジェネリック版を製造する計画を検討または進めている。この記事によれば、ロシュ社は18日、他社が製造することを認める用意があると表明したと伝えた。ロシュ社は「すべての選択肢について話し合う用意がある」と述べ、政府や他社へのサブライセンス供与をその選択肢に含めた。ロシュ社の売り上げは、鳥インフルエンザのため昨年の4倍強の10億米ドルになることが予想され、販売を独占することで不当に利益を得ているという批判があるとWSJは伝えている。

英語版ウィキニュースからの翻訳を含みます。

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