台北地方検察院、吳淑珍総統夫人らを起訴—国務機密費の流用容疑

【2006年11月5日】

台湾の自由時報によると、3日、陳水扁総統夫人の呉淑珍氏と馬永成元総統府副秘書長、林徳訓総統府秘書らが国務機密費の流用容疑で、台北地方検察院により起訴された。台北地検は、総統夫人を主犯、総統府秘書であった馬氏、林氏の両名が共犯と認定した。

読売新聞によれば、呉氏は2002年7月から2006年3月までの間に、機密費1,480万台湾ドル(日本円で約5,300万円)を横領し、指輪の購入など私的な目的に流用した疑いが持たれている。台北地検は陳総統本人も文書を偽造するなどして関与したと認定しているが、在任中の総統であるため、起訴することができなかった。

これに対して、与党の民進党は呉総統夫人の起訴について中央評議会で審議するとともに、陳総統に対して国民の前で説明するよう要求した。

自由時報によれば、野党の中国国民党親民党は48時間以内に陳総統が辞任する事を求めた。もしそれが受け入れられなければ3回目の総統罷免案を立法院で動議する方針である。

また民進党と政治的主張が近い台湾団結聯盟も、今回の罷免案に賛成する意向である。台湾団結聯盟の精神的指導者である李登輝・前総統も、12月9日に予定されている台北高雄両直轄市の市長・市議会議員選挙において民進党候補を支援しないと述べている。

一方、西日本新聞によれば、陳総統は5日夜、テレビで、「私的流用はなく、横領ではない」と述べ、容疑を否定した。また、「一審で有罪判決ならば総統を辞任する」と述べた。

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