南米チリでM8以上の地震 太平洋沿岸は津波に警戒を

【2010年2月27日】

チリ共和国(PD)
震度分布 提供:USGS(PD)

チリ共和国中部沿岸部で、現地時間2月27日午前3時34分(UTC-4)ごろ、強い地震があったとアメリカ地質調査所(USGS)が発表した。時事通信、CNN、共同通信などが伝えた。

USGSの発表では、地震の震源地はチリ中部のコンセプシオンから北北東へ約115キロ、震源の深さは約35キロ、地震の規模を示すマグニチュードは8.8。

CNNによればチリのミシェル・バチェレ大統領は被災地に「大災害地帯」宣言を行った。ロイターによれば、27日早朝、バチェレ大統領はまた通信施設等が破壊され、事態の掌握には時間がかかる見込みを示した。CNNによればバチェレ大統領は首都サンチャゴで建物の倒壊・停電・水道施設の破壊が起こっていると語った。また、CNNによれば、セバスチャン・ピネラ次期大統領は27日午前、少なくとも122人が死亡し、今後さらに犠牲者が判明する可能性があると語った。共同通信によればコンセプシオンでは火災が起き、建物の倒壊がみられる。

また時事通信ほかによれば、サンティアゴ国際空港は封鎖された。CNNは空港再開は少なくとも24時間後であると伝えている。

時事通信および共同通信によれば、在チリ日本大使館は日本人の安否確認を行っている。現地27日午前中までに日本人の被害は確認されていない。共同通信によれば、サンティアゴ在住の長期滞在者・永住者約800人のうち8割の安全を確認した一方、コンセプシオンにいる38人のうちほとんどとはまだ連絡が取れていない。

この地震による津波のおそれ

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CNNによると、この地震で太平洋津波警戒センターは太平洋全域に最大級の津波警報を出した。警戒が出された地域は、アラスカを含む米州大陸側から、ハワイ諸島、日本、ロシアに及んでいる。ロイターによれば、米地質調査所は、これまでに、チリ・ペルー・エクアドル・パナマ等中南米各地および南極で津波を観測した。また時事通信によると、日本の気象庁太平洋沿岸に津波が発生する恐れがあるとして、調査している。

共同通信によると、日本では1960年のチリ地震の際に、北海道三陸海岸沿岸を津波が襲い、多数の犠牲者が出ている。なお、CNNは今回の地震の震源地は1960年の地震の震源地から数マイルほどの近さであると伝えている。

情報源

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