南北朝鮮を連結する鉄道で試運転

【2007年5月17日】

猪津駅(資料、GFDL
南北朝鮮を跨ぐ東海北部線(資料、GFDL, cc-by-sa-2.1-jp, cc-by-sa-2.5,2.0,1.0)

17日(UTC+9)、南北朝鮮を連結する鉄道の試運転が行われた。東亜日報・朝日新聞等、日韓各メディアが報道した。南北朝鮮を連結する鉄道の運転は、朝鮮戦争以来初めてで、56年ぶり。

朝日新聞等によると試運転が行われたのは二区間で、黄海側を走る京義線平釜線)の山駅から開城駅日本海側を走る東海北部線(金剛山青年線)の金剛山青年駅から猪津駅である。京義線の試運転には韓国側の車両を、東海北部線の試運転は北朝鮮側の車両を、それぞれ使用した。それぞれ17日のみの運転で、一往復運行する。

YTNの生中継放送によると、京義線の山駅では出発に先立ちセレモニーが行われ、56年ぶりの南北連結鉄道の試運転実施に至ったことを祝賀するムードに包まれた。その後、開城駅へ向けて試運転列車が11時30分に発車、この様子は韓国全土にテレビを通じて生中継された。この列車は、12時20分頃に軍事境界線を通過し、北朝鮮側に入った。

毎日新聞によると、現職の李在禎(イ・ジェジョン)統一相ら現政権要人とともに統一相経験者、政財界関係者、芸能人や詩人、京義線の最後の機関士などがこの試運転列車に招待を受けた。

一方で、朝鮮日報によると、このセレモニーに招待されなかった韓国人の拉致被害者家族が「試運転列車は走っても、家族は戻ってこない」と、セレモニーの中止を訴えて侵入を試みたものの、排除された。また毎日新聞によると、統一相経験者でも現政権と対立する鄭東泳(チョン・ドンヨン)元ウリ党議長は招待されなかった。野党ハンナラ党スポークスマンは、試乗客に対して「親政府の人物だらけ」とコメントした。

YTNによると東海北部線の猪津駅には、北朝鮮側から来た試運転列車が12時半頃に到着した。朝日新聞によると、この列車には北朝鮮政府関係者が乗っており、地元の人々による歓迎セレモニーが行われた模様。

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