医師免許の無い従業員がレーザー脱毛、エステチェーン店を捜索 - 兵庫県警
【2009年12月18日】
読売新聞・産経新聞・毎日新聞によると、兵庫県警生活経済課などは、神戸市内のエステティックサロン従業員が、医師免許を持たないまま、医療行為に該当するレーザー脱毛を行っていた疑いが強まったとして、医師法違反(無資格医業)容疑で、神戸市を中心に近畿・中国地方の西日本地区でエステ店11店を展開するチェーン店・『アニュー』の全店と、同店の経営会社・『ジェイビー』(神戸市垂水区)などの一斉捜索を12月18日(UTC+9、以下同様)に実施した。同県警は、同社の経営者の40歳の男性からも事情を聴くことにしている。
産経新聞によると、捜査関係者のコメントとして、アニュー系列店でレーザー脱毛を受けた女性が皮膚に火傷を負うなどのトラブルが相次いでおり、同県警は、関係書類を押収し、従業員らから事情を聴くなどして、容疑の裏付けを進める方針である。
各新聞によると、捜索容疑は、アニュー三宮店(神戸市中央区)や元町店(同)で2008年11月と2009年2月に、医師免許を持たない女性従業員が、20歳代の女性客2人に対し、脱毛用機器でレーザー光線を照射するなどしたというもので、女性客2人は代金として計約20万円を支払った模様である。読売新聞によると、2人の客のうちの1人は、全身脱毛の2年間6回コース(14万5,000円)、もう1人は腕脱毛の2年間6回コース(約5万円)の契約をしていた。
産経新聞によると、レーザー機器を使用した、いわゆる『レーザー脱毛』を巡っては、厚生労働省が2001年11月に、「医師免許を保有しない者が、業務としてレーザー光線を照射して脱毛することは医師法違反に当たる」と、都道府県に対し通達している。
読売新聞によると、アニューは、ホームページ上で「最新で高品質の脱毛システム」とし、「やさしい光で、お肌への負担も少なく、痛みもほとんどありません」等の内容のPRをしていた。また、毎日新聞によれば、全身脱毛で10数万円と、世間相場よりも安目の価格を設定し、ホームページ上で脱毛体験のクーポン券を配布している。
読売新聞によると、無資格脱毛については、2006年に京都府警、2007年に千葉県警が、エステ会社社長らを逮捕し、客に火傷をさせたとして、業務上過失傷害容疑で立件した例もある。
毎日新聞によると、日本エステティック協会(東京都)は、「脱毛は(女性からの)ニーズが多い一方で、医療と美容のはざまにあり、法律を正しく認識していない店も存在する」と指摘している。
情報源
編集- YOMIURI ONLINE 『無資格でレーザー脱毛か、エステ「アニュー」捜索』 — 読売新聞社, 2009年12月18日
- MSN産経ニュース 『無許可でレーザー脱毛、エステ店チェーン家宅捜索 兵庫県警』 — 産経新聞社, 2009年12月18日
- 村上正(毎日jp) 『エステ:無免許でレーザー脱毛 兵庫県警が家宅捜索』 — 毎日新聞社, 2009年12月18日