北朝鮮、「人工衛星」をうたうミサイル打ち上げを強行 今年2回目

【2012年12月12日】

西海衛星発射場。ここから「人工衛星」をうたうミサイルが打ち上げられた(写真は2012年4月の打ち上げ時)

産経新聞によると、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は12月12日午前、北西部にある「西海衛星発射場」から「人工衛星」とうたった事実上の長距離弾道ミサイルの打ち上げを強行した。ミサイルの打ち上げは4月に続いて今年2回目で、日本韓国アメリカの各国政府は「国連安全保障理事会の決議に違反する」として中止を求めたものの、これを違反して打ち上げを強行した。

朝日新聞によると、北朝鮮が打ち上げたミサイルは午前9:49ごろ、発射場から南の方角に向かって打ち上げ、日本の政府はその機体が沖縄県の上空を10:01ごろに通過し、10:05ごろにフィリピンの東方約300㎞の太平洋上に落下したと見られると発表。日本はミサイルが予定の軌道から外れて落ちてきた場合を想定し、迎撃ミサイルを配置していたが破壊処置は行われなかった。また韓国もイージス艦を黄海に向けて配置している。韓国の国防省の説明ではミサイルは「テポドン2」を改良した3段式ロケットとされ、北朝鮮が周辺の国や地域に通知したところでは、1段目は韓国西方沖の黄海、2段目はフィリピンの東方沖に落下すると見られると説明していた。

朝日の別の記事によると、北朝鮮は12月10日にこのミサイル発射の予告期間を当初の10-22日から「1段目に技術的欠陥が発生した」として、29日までに延長したと発表しており、外交筋によると「欠陥の修復に加えて厳しい気象条件も考慮したのではないか」という見方をしていた。またFNNが韓国の政府関係者に対する報道機関の取材として紹介したところ、11日午後、このミサイルの解体作業に入ったとみられることが明らかになっていた。聨合ニュースは技術的な不具合と見られるという外交消息筋の話を発表している。

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