北アイルランドで暴動、53人重軽傷

【2005年9月13日】

AP通信が伝えたところによると、北アイルランドのベルファストで、10日(西ヨーロッパ夏時間、UTC+1)、プロテスタント系住民と警官隊との間に衝突が起こった。衝突は12日までも続き、警官に50人、住民に3人の重軽傷者を出した。ロイター通信によれば近年では最悪の規模の衝突となった。

NHKは、住民が石や火炎瓶を用いたり、武装したグループが銃を発砲したりしたと伝えている。ロイター通信は、さらに車の乗っ取りや焼き討ちなども行われ、市内中心部が瓦礫に覆われていると伝えている。

プロテスタント系住民の組織「オレンジ団」は、17世紀にプロテスタントの軍勢がカトリックの軍勢にうち勝ったことを記念する伝統行事として毎年行進を行っている。AP通信は、この行列にあたり、カトリック系住民が多く住む西ベルファスト地区を通過することを地元の警察が10日土曜日に禁止したことで衝突が起こったと伝えている。ロイター通信は、暴動の底流に、プロテスタント系住民の間でイギリス政府のIRAへの急激な接近への恐れや、治安への不安があるとの観測を伝えている。

AP通信によると、地元警察のほか、ミッチェル・ライス米北アイルランド特使が、暴動に責任があるとプロテスタント系住民指導者を非難している。

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