再生紙表記を廃止―日本郵政

【2008年1月26日】

日本郵政(JP)は24日、各製紙会社による再生紙の古紙配合率偽装問題に関連して、今後印刷する再生紙はがきについて当面の間古紙配合率の具体的な数値基準を撤廃し「質確保上問題がない範囲で古紙を極力多く配合する」という仕様にし、「再生紙はがき」・「再生紙」の表示を削除すると発表した。

朝日新聞によるとJPに納入した全社が再生紙はがきの古紙配合率を偽装し、配合率が40%の発注に対して最大でも20%になっていた。偽装再生紙の調達や販売を自粛する案もあったが、「はがきの販売を中止したら、かえって利用者に不便をかける」(同社幹部談)という理由から苦肉の策をとることにしたという。現在は郵便はがきのほぼすべてが再生紙になっており、2007年10月の民営化後に販売された通常はがきなどに「再生紙」と表記されている。現在の在庫は約1ヶ月分で、これが売り切れ次第「再生紙」の表記がされてないはがきに切り替える予定。時事通信によると「再生紙」表記の中止は新規発行分が対象となり、現在の在庫分は従来通りに販売する。

毎日新聞によると製紙会社は「品質と古紙の需給状況から40%は無理」と説明しているため、JPは製紙会社が対応できる範囲の配合率を認めざるを得ないと判断。偽装を続けていた製紙会社との取引を中止してしまうと、はがき発行が不可能になるため取引は継続することにした。

J-CASTニュースは産地や賞味期限などの「食品偽装」が相次いでいるが、「環境偽装」まで発覚したとしている。2008年1月8日夜に放送されたTBS系のニュース番組『ニュース23』で日本製紙が年賀はがきの古紙割合を極端に少なめに偽っていたことが報道されたのに続いて、1月16日にはJPにはがき用紙を納入していた他の製紙会社4社も偽装していたことが明らかになった。各社は偽装の理由を「品質を保つため」と主張している。日本製紙の説明では1992年に工場内で発生した「損紙」24%を含めた30%の配合率でテスト生産した実績から40%で受注したものの、その後「損紙」が「古紙」として認められない事が判明し、そもそも再生紙ではがきを作ろうとしたことが「無理だったのでは?」という見方まででている。

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