佐世保市で女子高生殺害 同級生逮捕
【2014年7月28日】
長崎県警は、7月27日、佐世保市の高校1年生の女子生徒(15 以下「被害者」)を殺したとして、殺人の疑いで、同じ高校のクラスメートの女子生徒(15 以下「容疑者」)を逮捕した。容疑者の生徒は「すべて1人でやった」として容疑を認めている[1]。
容疑者は7月26日の午後8時ごろ、佐世保市内のマンションで、被害者の後頭部を工具を使って数回殴り、その上でひものようなもので首を絞めて殺害したとしている。被害者は約1週間前から「(容疑者の)マンションに遊びに行く」と話し、7月26日の午後2時から3時ごろに自宅を出て容疑者のマンションに向かい、午後6時40分頃に被害者の母親に「7時ごろには帰る」とのメールを送ったが、その後帰宅しなかったため、被害者の父親が深夜11時過ぎに110番通報をした。その後7月27日午前3時15分頃、長崎県警の捜査員らが容疑者の父親らを伴ってマンションを訪ね、部屋にいた少女を電話でマンションに呼び出し、「(被害者のことは)知らない」と答えたが、午前3時20分頃に捜査員がマンションの室内に入って被害者の遺体を見つけ、容疑者に佐世保警察署で事情聴取したところ、被害者の殺害を認めたとして、午前6時11分に容疑者を逮捕した[2]。
容疑者と被害者はいずれも県内有数の進学校として知られる高校に通っており、2人は友人関係にあったという。またインターネット上の掲示板に「殺しちゃった」と殺害を示唆するような内容の文章や画像が投稿されていることもわかり、その投稿が犯行を起こした直後の7月26日午後10時過ぎであることから、この投稿と容疑者との関連についても慎重に調べを進めている[1]。
長崎県警は被害者を28日司法解剖した結果、死因は窒息死だったと発表した。容疑者は被害者を工具で殴った後にひものようなもので首を絞めたことが直接の死因だとみている。また遺体は首と左手首が切断されていた他、これ以外にも複数の切り傷があったのを見つけているほか、遺体の近くに金属製の工具が複数あり、県警はこれらを使って被害者の殺害を行ったものと見ており、佐世保市内のホームセンターに購入履歴などを問合せ、工具が持ち込まれた経緯を調べている[3]。
容疑者の身柄は7月28日午後、警察を通して長崎地検・佐世保支部に送検された。これまでの取り調べで、容疑者は被害者の殺害と、遺体の一部切断を認める供述をしているが、その後の調べで「人を殺してみたかった」とする旨の供述を行っていたことが、捜査関係者への取材で明らかになった。また工具類は「買って用意していた」と述べており、事件当日については「最初は被害者と外で買い物をして、そのあとマンションに戻って(被害者を)殺した」と話している[4]。
2人が通っていた学校では全校集会開催
編集2人が通っていた学校では7月28日朝、緊急の全校集会が行われ、全学年の生徒が登校。午前7時過ぎから約20人の教職員が通学路で登校を見守っていた[5]。しかし、今回の事件で在校生が逮捕された事件の影響や衝撃が大きいためか、生徒らは重い足取りで学校に通い、また一部生徒は気分が不安定になったため欠席した者もいた[6]。
全校集会ではまず全員で被害者に対し黙とうをささげ、校長が今回の事件についての概要説明と、今後学校としての対応について述べた。その後、教室で担任の教諭らが、生徒一人ひとりと面談を行い、心のケアの状態を確認した[5]。
また今回の事件で気分がすぐれないとして1年生の生徒3人が欠席したほか、教室に入れなかったり、集会中に体調を壊した生徒もおり、この31人は専門のスクールカウンセラーが対応。このうちの18人は今後も継続してカウンセリングする必要があるとしている。高校では7月29日もカウンセラーを5人待機させるとしている。校長は「生徒たちに動揺が広がっているのは間違いない。早く安定が図れるよう。しっかりとケアしていきたい」と述べている[7]。
情報源
編集- ↑ 1.0 1.1 『女子高生が同級生殺害 ベッドに切断遺体』 — 日刊スポーツ, 2014年7月28日
- ↑ 『同級生女子生徒の後頭部殴り殺害、高1女子逮捕』 — 読売新聞, 2014年7月27日
- ↑ 『佐世保高1女子同級生殺害 死因は窒息死 切断部の他にも切り傷』 — スポーツニッポン, 2014年7月28日
- ↑ 『逮捕の女子生徒「人を殺してみたかった」』 — 日本放送協会, 2014年7月28日
- ↑ 5.0 5.1 『同級生殺害で緊急集会 校内に動揺広がる』 — 読売新聞, 2014年7月27日
- ↑ 『全校集会、欠席の生徒も 佐世保・同級生殺害事件』 — 朝日新聞, 2014年7月28日
- ↑ 『女子生徒殺害 緊急の全校集会と個人面談』 — 日本放送協会, 2014年7月28日