介護ベッドの手すりに絡む死傷事故 - 昨年の秋より相次ぎ発生

【2008年2月17日】

介護ベッド用手すりやそのすき間で首や腕を挟むなどの死傷事故が、昨年の秋から相次ぎ発生した。経済産業省による2月15日のまとめで分かった。

まとめによると「介護ベッド用手すり」に絡んだ事故が昨年10月に大阪府で発生したのち、東京都・愛知県・香川県と1都1府2県で合わせて死亡2件、重傷2件としている。(関連する製造元は合わせて2社。)

さらに同省は事故の状況とともに手すりとの関係性にもふれている。昨年12月に愛知県で発生した事故では、すき間で首を吊る状態にて発見されており、病院搬送後に死亡した。これは手すりのサイドレール部が製造時とは逆方向の取り付けですき間が広がり、事故に繋がったとみている。

また、昨年11月に東京都で発生した事故はロックレバーで固定した手すりにより立ち上がる際、手すりが動いて転倒し、肋骨にひびが入った。これについてはロックレバーへの負荷により解除したことが原因としている。この東京都での転倒事故に対しては、製造元のパラマウントベッドは問題とされたロック解除の対策について、(すでにあった)予防ストッパーの無償提供とロックレバーの点検を注意喚起することを、同日の15日に発表した。

他の3件について経済産業省は「介護ベッド用手すりではこれまでも重大な事故が発生している。製品の性質上としては挟み込みの危険性は避けられない」として同様の製品を利用するユーザーに理解を求めるとともに、適切な使用を呼びかけている。

これに関連し、日本福祉用具・生活支援用具協会及び医療・介護ベッド安全普及協議会は注意を促す発表を15日に行った。その中で両団体は、ベッドでの行動が予測できない場合や自力での危険回避を行えない場合などは特に、クッション材や毛布ですき間を埋めておくなどの工夫をして、すき間に挟まれる事故を防止することを利用者へ呼びかけている。

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