京都市立京都堀川音楽高校で、備品の高級ヴァイオリンが別物とすり替わる
【2010年5月22日】
読売新聞・産経新聞によると、京都市立京都堀川音楽高校(京都市中京区)が所有するヴァイオリンが、購入記録のある外国製の高級品とは別の物(時価約200万円)と入れ替わっていることが判明した。
産経新聞によると、入れ替わる前のヴァイオリンは、演奏会で学校外に持ち出されることもあるため、取り違えた可能性もあるとしているが、両報道によれば、同校は「原因が解らない」として困惑している。
読売新聞によると、同校の備品台帳では、このヴァイオリンは、20世紀前半のイタリアの有名ヴァイオリン作家であるガエタノ・ガッダの作品で、1947年(UTC+9)製。京都市教委は1999年に「ガッダの作品」との条件付きで入札し、最安値を提示した楽器販売業者から212万円で購入。学校外の演奏会に持ち出し、生徒の使用する楽器が壊れた際の予備として使っていたという。産経新聞によれば、京都市内の楽器店の話では、「通常は本物なら500万~800万円はする」という。
ところが、読売新聞によると、2009年秋の監査に於いて、購入以来初めてヴァイオリン内部のラベルを調べたところ、イタリアの別のヴァイオリン作家の作品(1988年製)となっていたという。また、産経新聞によれば、同校が年1回実施している点検では外観しか確認していないため、これまで気付かなかった模様である。
読売新聞によると、ガッダの作品は、日本国内ではほとんど流通しておらず、市場では1,000万円以上で売買されることもあるため、偽物が出回ることも多いという。購入先の楽器販売業者は「現時点では何も答えられない」として、コメントを避けている。
産経新聞によると、同校の大江加津雄校長は、「点検時には、楽器のラベルや台帳、現物の写真を確認するなどして管理を徹底する」とコメントしている。
情報源
編集- Infoseekニュース(YOMIURI ONLINE) 『高級バイオリン、別物とすり替え…葉加瀬さん母校』 — 読売新聞社, 2010年5月22日
- MSN産経ニュース 『ミステリー? 備品の高級バイオリン入れ替わる 京都堀川音楽高校』 — 産経新聞社, 2010年5月22日