中学校のサッカー試合中に、相手校の選手に対し「水俣病、触るな」と暴言

【2010年7月16日】

産経新聞読売新聞によると、6月UTC+9)上旬に熊本県芦北町で行われた同県の中学校サッカー同士の練習試合に於いて、同県内の市立中学校の男子選手が、水俣市の中学校の選手に対し、再三に亘り「水俣病、触るな」などと暴言を吐いていたことが判明した。

産経新聞によると、同市教委の話として、試合中にボールの奪い合いや接触プレーが起きた際、相手チームの選手1人が、水俣市の複数の選手に対し差別発言を繰り返したという。これを聞いた水俣市の学校の選手が「謝れ」などと抗議する一幕もあった模様だが、同市教委によれば、その場で謝罪があったかどうかは確認できなかったという。試合後、水俣市の学校の側の顧問教諭が、相手校選手の差別的言動に気付き、相手校の顧問に発言を確認し、さらに相手校の顧問が発言した選手に確認し、保護者らと共に謝罪したという。

両報道によると、試合の翌日に相手校の校長が同市教委を訪れ、「申し訳無かった。水俣病に関する正しい理解が、教育の場でできていなかったかも知れない」と陳謝した。さらに、同市職員らを招いて保護者集会や教員研修を開き、水俣病に対する正しい知識や理解を学習したとしている。

両報道によると、水俣市の葦浦博行教育長は、「水俣病に対する理解不足があったことは残念で、今後も啓発に力を入れたい」とコメントしている。

産経新聞によると、この件について、小沢鋭仁環境相は、7月16日閣議後の会見で、「水俣病に対する差別が無いようにということで努力してきたが、子供は時として深く考えず、残酷な事を口にする。二度とこうしたことが起きないように、水俣病について歴史的意味も含めた学習をしてほしい」とコメントした。

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