中国の国営テレビ新社屋で火災 旧正月を祝う花火が引火?

【2009年2月10日】

火災現場(資料)
火災事故があった中国国営中央テレビ局の新社屋(資料 火災発生前=2008年の撮影)

朝日新聞と読売新聞によると、中国北京市に建設が進められていた国営中央テレビ局の新社屋の敷地内の高さ159mのビルで、2月9日現地午後9時過ぎ(UTC+8 日本時間=UTC+9では同10時過ぎ)建物が全焼する火災が起きた。

サーチナによると、新社屋の敷地は北京市内で金融機関や大企業が集まる「CBD」と呼ばれる新ビジネス街にあり、火災が起きたビルは「北配楼」と呼ばれていた。

朝日新聞では出火原因は不明とされているが、読売新聞によると、当時、このビルの周辺では旧正月の一つの行事・元宵節(旧暦1月15日の節句)を祝う花火が打ち上げられていたという。このビルは同局が入居する新社屋の北側に隣接して設けられる付属ビルで、香港資本のホテルが入居して2009年度中に開業する予定になっていた。

共同通信によると、同局が警察の制止を無視し違法に打ち上げた花火がビルに引火したのが原因だったと断定、警察が容疑者を取り調べていると新華社が伝えた。北京市消防局によると、同局は9日夜、花火業者を使って、火薬が多く含まれ、通常は打ち上げが禁止されている「礼花弾」と呼ばれる花火をビル脇の空き地で打ち上げたという。警察が制止命令を出したが同局側は従わなかったという。

時事通信によると、香港に本部を置く中国人権民主化運動情報センターは10日、北京市当局が9日深夜、インターネットの主要ポータルサイトに対して新華社の記事だけを掲載し、写真や動画は発信しないよう求める緊急通知を出したと発表した。違法な花火の打ち上げで国営テレビのビルが炎上するという不祥事を隠す狙いがあるとみられる。

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