世界遺産の森林を無断で伐採 - 和歌山・熊野

【2011年5月13日】

世界遺産・『紀伊山地の霊場と参詣道』
熊野速玉大社
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ウィキペディア紀伊山地の霊場と参詣道に関する記事があります。
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産経新聞朝日新聞によると、世界遺産・『紀伊山地の霊場と参詣道』のエリア内に含まれる熊野速玉大社和歌山県新宮市)の所有にかかる山林約1ヘクタールを、地元の森林組合が無許可で伐採していたことが、5月13日UTC+9)に判明した。

両報道によると、森林組合は、地元住民から「日照不足を解消してほしい」との要望を受け、伐採したとしている。産経新聞によれば、伐採された場所が含まれる森林は、世界遺産の主要要素である「コアゾーン」であり、和歌山県教育委員会は、文化財保護法などに違反する疑いがあると見て調べる方針である。また、朝日新聞によれば、コアゾーンに位置する森林を伐採、もしくは開発を行う場合は、地元の教育委員会の許可が必要となるが、森林組合は許可を得ておらず、森林法自然公園法にも抵触する可能性が出ている。

産経新聞が同県教委の話として伝えたところによると、無断伐採の現場は、同大社南に位置する『千穂ケ峯』(253メートル)の北部分で、シイカシなどの雑木林が伐採されていたという。4月末に環境省熊野自然保護官事務所(同市)が確認した。朝日新聞によれば、これらの樹木は、軒並み地面から約40センチの高さで切られていた模様である。

産経新聞によると、この地域では数年前から、麓に住む住民が、「日照や風通しが悪い」などとして解消を求めてきていたため、同県が2010年度に、「間伐里山再生加速化事業」によって枝打ちなどを計画。同市が実施主体となり、同市森林組合に対し作業を委託。同森林組合は、2011年2月14日から3月24日にかけて枝打ちや間引きを実施した。しかし、地元住民が4月5日に現地を確認したところ「日照不足は解消されていない」とし、伐採を求めたため、同森林組合員ら3人が、4月6日から21日のうち5日間で伐採を実施したという。朝日新聞によれば、4月下旬になって別の住民から、「が切られているが、大丈夫か」と、同県に対し通報があったという。

産経新聞によると、同森林組合は、「世界遺産のエリアであるという認識が無かった。確認不足であり、市に相談した方が良かった」と釈明。同県教委は、「現状復帰も困難。今後については、所有者や新宮市、文化庁などと相談したい」と述べている。

一方、朝日新聞によると、同大社の上野顕宮司は、「伐採するなら、絶対に同意しなかった。できれば元通りにしてほしい」と述べており、警察被害届を提出することも検討しているという。

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