上野動物園の「北限のサル」公開初日に1頭が脱走
【2010年1月26日】
東京・上野動物園のサル山で1月24日(UTC+9、以下同様)、青森県・下北半島に生息し、「北限のサル」として国の天然記念物に指定されているニホンザル23頭を一般公開のため放したところ、1頭が壁を乗り越えて園外へ脱走した[1][2]。
脱走したサルは、体長約50センチのオス「カジキ」[1]。サルたちは同日午前9時30分の開園と同時にサル山に放されたが、「カジキ」はパイプを伝って壁を駆け上り、林の中へ逃走した[1][2]。
約6時間後の午後3時40分頃[2]、動物園から500メートル離れた[1]上野公園内の不忍池付近にある食堂から「地下にサルがいる」と上野署に通報があり[2]、午後4時頃、同食堂の地下倉庫で「カジキ」が発見され[1]、動物園の職員により捕獲された[2]。「カジキ」は捕獲直後は暴れたが、まもなくおとなしくなったという[1]。捕獲後は、群れとは別の檻に入れられている[2]。
動物園では、「初めての環境に驚いてパニック状態に陥ったことが原因と考えられる」としている[2]。担当者は、「これまでは、脱走を試みたサルすらいなかった。野生のサルの身体能力はすごい」とコメントした[1]。動物園では、サル山に電流が流れる柵を設置することを検討するという[1]。
「北限のサル」は、ヒト以外の霊長類の中で、世界で最も緯度の高い地域に生息している[1][2]。地元で数が増えすぎたために捕獲され、昨年4月に上野動物園が21頭を引き取り、その後誕生した2頭を含めた23頭がこの日から公開された[2]。従来サル山で展示されていた36頭のサルは園内の別の場所に移され[1]、うち12頭はサル山とは別の檻で展示される予定[2]。
情報源
編集本ニュースは「読売新聞」と「朝日新聞」の以下の報道を情報源としている。