三陸沖で新タイプの火山発見、プレートの亀裂からマグマしみ出す

【2006年7月28日】

今回火山が発見された場所のおよその位置(環境により多少位置がずれる)
右側の火山が今回発見された火山の想像図。(資料)

日本経済新聞、朝日新聞によると、海洋研究開発機構東京工業大学の共同研究チームは27日(UTC+9)、岩手県三陸沖800km(おおむね北緯37度30分東経149度40分の付近)の深海約6,000mでプレートの小さな亀裂からマグマがしみ出すという新しいタイプの火山を発見したと発表した。27日、アメリカの科学雑誌「サイエンス」の電子版に掲載された。

研究チームは2003年から今回発見された海底火山周辺の海域を潜水調査船「しんかい6500」などで調査を始め、2005年5月に海底が盛り上がった地形を発見していた。朝日新聞によると、付近で採取された火山噴出物から約103万~5万年前に噴火した火山であることが判明した。この火山が見つかった場所は、従来の理論では火山が形成されないとされている。

朝日新聞によると、火山ができる場所は従来、以下の3種類に分類されている。

  1. プレートが誕生する場所(海嶺など)
  2. プレートが沈み込む場所(海溝など)
  3. 局地的なマグマの上昇流のある場所(ホットスポット

海洋研究開発機構によると、地下構造の音波探査や地形調査などの結果、今回発見された火山は何れの分類にも当てはまらないタイプのもので、プレートが他のプレートの下に沈み込むときにプレートが屈曲してできた小さな亀裂からマグマがしみ出していると考えられるという。

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